2001 Fiscal Year Annual Research Report
悪性グリオーマにおけるアポトーシス関連遺伝子の解析及び遺伝子治療法の開発
Project/Area Number |
11671376
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Research Institution | Kyoto Prefectural University medicine |
Principal Investigator |
須川 典亮 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (50244596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 正和 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (60153087)
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Keywords | malignant glioma / apoptosis / gene therapy / p53 / p130 |
Research Abstract |
Apoptosis関連遺伝子(bax, bcl-2,bcl-xl)の解析より異常EGFRが発現するとbcl-xlの発現が上昇することを発見した。これら実験モデルを用いての結果は、我々が所有している手術症例を用いての研究からも同様の結果、すなわち、異常EGFR発現malignant gliiomaにおいては腫瘍増殖能(MIB-1陽性率)が高く、apoptosisが抑制される傾向があり、bc1-XLも強く発現される傾向にあることを臨床的にも発見した。しかし手術症例の中には、bc1-XLが強く発現されているにもかかわらずapoptosisが強く生じている症例も経験した。そうした症例ではbaxの発現が強く腿められていた。つまりmalignant gliomaではapoptosisの出現はbax/bc1-XLの比に関係していた。以上cell lineと手術症例を踏まえた結果より、malignant gliomaのapoptosisでは抑制遺伝子としてはbc1-XLが、誘導遺伝子としてはbaxが直接関係しており、異常EGFRが、bc1-XLの発現に関係していることまで解明できた。そして、いままでに解析してきた60例の手術症例各々においてbaxの発現状態とp53mutationの有無との関係を解析した結果ではp53とbaxとの関係は予想していた通りの傾向が認められた。つまりwild type p53はbax発現を促進させ、mutant type p53はbax発現を抑制するのである。そこで我々はいままでに作成してきた4種類の遺伝子組み替えcell lineにexogeneous p53、さらにp130を組込みin vitroにて発現の状態を確認してきた。しかし実験ではどうもうまくp53とbax, p130とbaxの発現関係が予想していたようなきれいなデータとして得られず、p53 familyとbaxとの間には、さらに何か重要な因子があると予想されたが、その因子が何であるかを解明する事までにはいたらなかった。
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