1999 Fiscal Year Annual Research Report
頭蓋内動脈硬化性病変に対する血管内治療の基礎的臨床的研究
Project/Area Number |
11671381
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
寺田 友昭 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60227519)
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Keywords | arteriosclerosis / PTA / stent / intracranial artery |
Research Abstract |
1)ステントによる穿通動脈閉塞の有無:家兎2匹において、経大腿動脈経由で腹部大動脈に腰動脈にステントがかかるように、冠動脈用ステントの留置をX線透視下に行った。2例においてステント留置後の腰動脈の閉塞は認めなかった。 2)臨床例における検討:頭蓋内動脈硬化性病変5例に対して、ステント留置術を行った。2例は脳底動脈狭窄例で、1例は経皮的血管形成術では拡張を得られないためステント留置を行い良好な拡張を得た。他の1例は経皮的血管形成術後3回の再狭窄を来したためステント留置を行い良好な拡張を得た。しかし、3ヶ月後の血管造影では再狭窄を来したため、ステント内より再度血管形成術を行い良好な結果を得た。他の3例は頭蓋内内頚動脈狭窄であり、2例は椎体部の狭窄でステントにより良好な拡張を得た。他の1例は海綿静脈洞部の狭窄でステント留置を試みたが、屈曲が強くステントを病変部まで持って行くことができなかった。しかも、操作中にステントが脱落し狭窄部手前へ迷入してしまった。スネアーワイヤーを用いてステントを掴み鼠径部のシースまで引き戻したが、シースから取り出せなかったため、対側鼠径部に太いシースを入れ、ステントを回収した。ステントはPTAに抵抗する狭窄性病変の治療にも有効であるが、脱落などの合併症に細心の注意を払う必要がある。
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