1999 Fiscal Year Annual Research Report
ニトロソウレア系抗癌剤耐性脳腫瘍モデルにおける耐性克服のための治療戦略
Project/Area Number |
11671394
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
馬目 佳信 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30219539)
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Keywords | 脳腫瘍 / 化学療法 / 薬剤耐性 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
ACNUで代表されるニトロソウレア系抗癌剤は脳腫瘍に対して非常に有効な薬剤であるが治療を続けるにしたがって耐性を獲得することが大きな問題となっている。この耐性獲得のメカニズム腫瘍中にO6-メチルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼ(MGMT)というDNA修復酵素が誘導されることによる。本研究ではの耐性となった脳腫瘍細胞に対して、生体内での遺伝子の導入によって再び感受性を与える治療法の確立をめざしている。そのため、まず9Lラット脳腫瘍細胞にレトロウイルスベクターを用いてMGMT遺伝子を過剰発現させACNUに耐性を示す脳腫瘍株を作製した。今回はこの細胞についてさらに詳しい検討を加えた。。本細胞は野生株やベクターのみを感染させた対照細胞に比べて薬剤濃度で約9倍の耐性を呈した。さらにこれら細胞をラットの大脳尾状核に定位脳手術的に接種して動物をACNUで治療すると野生株や対照株では生存が10日間延長するが本耐性株では2日しか延長しなかった。またその他の試験でも本細胞が耐性に必要かつ十分量のMGMTを発現していることが判明したため、本細胞はACNU耐性のモデルとして今後の研究に十分活用でき得ることが示された。本モデルの耐性を克服するため、MGMTに対するアンチセンス及びリボザイムの細胞内での発現を予定している。ともにまず非ウイルスベクターでサイトメガロウイルスの初期プロモーターエンハンサーから各RNAが効率よく転写されるようベクターを設計・作製を進めている。
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