2000 Fiscal Year Annual Research Report
局所脳虚血における塩基性線維芽細胞成長因子による神経機能回復促進とその機序
Project/Area Number |
11671396
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
川俣 貴一 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90204768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 智勝 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60010443)
光山 哲滝 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80318104)
山口 知子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (90075276)
中村 聡 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20266779)
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Keywords | basic FGF / NGF / EGF / apoptosis / MAP kinase / PI3-kinase / Ras / 実験的脳梗塞 |
Research Abstract |
昨年度は、basic fibroblast growth factor(bFGF)の神経保護作用の詳細なmolecular mechanismを解明する目的にて、PC12細胞を用いた培養系で実験を施行した。今年度は昨年度に引き続き各情報伝達経路の抑制剤を用いた。MAP kinase系のinhibitor(MEK inhibitor)であるU0126とPD98059、あるいはPI3-Kinase系のinhibitor(p70のinhibitor)であるRapamycinなどを用いてcell survivalへの影響を調べた。nerve growth factor(NGF)やepidermal growth factor(EGF)と比較した場合に、bFGFの作用においてMAP kinase系は非常に強く関与している事が判明した。また、RapamycinによりbFGFのneuroprotective effectが強く阻害されたが、NGFおよびEGFとは明らかな差を認めなかった。 また、KClによる脱分極によって誘発される細胞死をbFGFが抑制するかどうか検討した。15mMのKClによりPC12細胞の細胞死が5分以内に誘発されたが、bFGF(200ng/ml)はこの細胞死を完全に抑制した。今回の実験では15mMという比較的低濃度のKClを投与したが、これにより理論上は37mVの脱分極が生じる。NタイプやLタイプのカルシウムチャンネルではそれぞれ-20、-10mVで脱分極が生じるとされているので、15mMのKClでもPC12細胞において細胞死が誘発される。このような条件下で誘発された細胞死をbFGFは完全に抑制した。そのメカニズムとしてMAP kinaseやPI3-kinaseが関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kawamata T,Yamaguchi T,Hori T: "Protective effect of bFGF on cell death induced by depolarization in PC12 cells."Neurotrauma Research. 11. 25-27 (1999)
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[Publications] Kawamata T,Yamaguchi T,Hori T: "Molecular mechanisms of the neuroprotective effect of bFGF on neuronal injury."Restorative Neurology and Neuroscience. 16. 18 (2000)
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[Publications] Kawamata T,Yamaguchi Y,Shin-ya K,Hori T: "Time courses of increased expression of signaling transduction molecules induced by basic fibroblast growth factor in PC12 cells."Neurol Res. (in press). (2001)