1999 Fiscal Year Annual Research Report
慢性圧迫による脊髄白質病変の実験的検討ー遅発性軸索変性と脱髄の関与ー
Project/Area Number |
11671399
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
飯塚 秀明 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50184346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 一也 金沢医科大学, 医学部, 助手 (00288292)
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Keywords | 圧泊性脊髄症 / 軸索変性 / 脱髄 / apoptosis |
Research Abstract |
慢性持続圧迫による脊髄障害の病態を検討するため,緩徐に膨張する子宮頚管拡張剤Dilapan(Gynotech INC.)を圧迫材に用いた脊髄持続圧迫モデルを作成し, 主として脊髄白質の病変を組織学的に検討した. 1.圧迫後7日までの急性期では,後索と隣接する灰白質に限局した出血性壊死を認めた。前角や側索・前索の壊死はなかった。 2.白質では海綿状変化が2日目から出現し,特に深部に強く圧迫部位とは関係なく脊髄全体に観察された。またこの所見は圧迫を解除しない限り90日以降までみられた。 3.電顕所見(1)側索では,2日目以降,軸索は浮腫性膨化し,ミエリン解離も伴っていた。軸索が脱落しミエリンが小魂状に変性したアクソンボールも多数観察された。この軸索変性の所見は,程度は軽減するが圧迫後90日目まで継続して観察された。(2)側索及び前索には,軸索変性の他に,髄鞘の菲薄化ないし脱落した軸索が多数観察された。 4.TUNEL法による観察では,白質に多数の陽性細胞が圧迫後72時間から観察され,1週後に最も多く観察された。 以上の結果から,脊髄持続圧迫による白質病変の主体は,圧迫期間中持続する軸索変性の他に,残存軸索に脱髄性変化が生じており,この変化は稀突起膠細胞がapoptosisに陥ったための変化と推測された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Akai T.: "Migrated disc in the lumbar spinal canal"Neurolgia medico-chirurgica. 39・9. 693-695 (1999)
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[Publications] 飯塚秀明(分担): "外傷性疾患:後頭(上位頸椎の臨床,片岡治、他、編)"南江堂(印刷中).