1999 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白分解酵素の活性阻害を応用した悪性神経膠腫の治療
Project/Area Number |
11671406
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
山本 正昭 福岡大学, 医学部, 講師 (80240125)
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Keywords | 蛋白分解酵素 / 悪性神経膠腫 / uPA / NF-kB / 浸潤能 |
Research Abstract |
ヒト脳腫瘍組織片を用いて、uPAの転写促進因子であるNF-kB(p50およびp65),c-MycおよびTNF receptor(TNFR p55)の発現をRT-PCR,immunohistochmistry法を用いて調べた。NF-kBについてはgel shift assayをおこない活性化の有無を検討した。これにより悪性神経膠腫ではNF-kBが活性化されていることが確認された。In vitroの実験で、uPAおよびNF-kBが活性化されているU251悪性神経膠腫細胞株に、NF-kBの阻害剤(steroidおよびaspirin)を投与したところ、細胞株よりのuPAの発現の低下と浸潤能の低下が観察された。またNF-kBの阻害剤(steroidおよびaspirin)とrecombinant TNF-alphaとを併用した処置により、細胞増殖能の低下がみられ、tunnel法でapoptosisを誘導できている事を確認した。現在、カテキン、BB-94およびそのアナログなどuPA,およびtype IV collagenaseの合成の阻害因子を用いて、in vitroにおける悪性神経膠腫細胞株の浸潤能に対する影響をin vitro invasion asssyを用いて調べている。 またLRPに特異的に結合するreceptor associated protein(RAP)を用いて悪性神経膠腫細胞株の浸潤能に対する影響を検討している。現在、ジフテリアトキシンのBフラグメントにpoint mutationを導入して、細胞に結合、侵入できないが、Aフラグメントは正常でタンパク合成阻害活性を有するrecombinantジフテリアトキシンを作成しているところである。これをRAPと結合させた化合物を作り、in vitroでの悪性神経膠腫細胞株に対する殺細胞効果を検討する予定である。
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