1999 Fiscal Year Annual Research Report
抗炎症剤を音響感受性物質として用いた超音波の抗腫瘍効果について
Project/Area Number |
11671414
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
岡田 恭司 秋田大学, 医学部, 助手 (10185431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 敏夫 秋田大学, 医学部, 教授 (20108559)
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Keywords | ピロキシカム / Echo / Air Pouch / Sarcoma |
Research Abstract |
In vivoで以下の実験を行った. 【方法】細胞数が6.7x10^5となるよう調整したSarcoma180浮遊液1.0mlと,0.3%のDMFを溶解剤として濃度を調節したピロキシカム溶液1mlをマウスの背部air pouch内へ注入し,その後蒸留水を満たした径30mm,高さ15mmのガラス管中にair pouch部のみ水没させ,共振周波数2MHz,10Wの照射強度で120秒間照射した.マウスはピロキシカムの濃度により0.2mM,0.02mM,0.002mMの群に分け,対照としては0.3%DMF溶液を用いた.超音波照射後1週でのair pouch部の組織像と,マウスの生存率をKaplan-Meier法により各群で比較した. 【結果】組織学的にはピロキシカム濃度0.2mMの群で,残存する腫瘍の面積が他の群よりも有意に低値で(ANOVA,p=0.003),air pouch内腔面の構造や周囲筋肉の構造も保たれていた.一方,ピロキシカム濃度が0.02mM,0.002mMの群と対照では旺盛な腫瘍の増殖を認めた.生存率は0.2mMの群で約60%,0.02mMの群で約20%であった.一方他の群ではマウスはすべて約40日で死亡した(log rank,p=0.005). 【結論】In vivoでピロキシカムは音響感受性物質として有用であり,その抗腫瘍効果は濃度依存性であると考えられた. 【文献】ピロキシカムによる超音波の抗腫瘍作用の増強.日整会誌73:S1659,1999.
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