1999 Fiscal Year Annual Research Report
マウス骨肉腫骨内病変のElectrochemotherapyと骨電気伝導性の研究
Project/Area Number |
11671415
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
石川 朗 山形大学, 医学部, 助手 (60250932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大類 広 山形大学, 医学部, 助手 (20312746)
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Keywords | 骨肉腫 / electrochemotherapy / SCIDマウス / 骨電気伝導性 / ヌードラット |
Research Abstract |
1.(研究目的)マウス骨肉腫骨内病変の実験では、全長が平均16mmのSCIDマウスの後肢大腿骨に電極を立てる際、腫瘍径と比べてもSCIDマウスの大腿骨の長さ・太さは、予想外に小さく、腫瘍を挟んだ電極間の骨電気伝導性を調べる実験には大型動物を使う必要性を感じた。平成11年5月からSCIDマウスに代わりヌードラットを用いた実験を準備した。本研究では、ヌードラット大腿骨内の腫瘍の近位と遠位の骨表面に電極を設置し、電極間距離がelectrochemotherapyに与える効果について調べた。更に、骨内の腫瘍に対し設置する電極の配置と本数による違いがelectrochemotherapyにもたらす効果について解明することを目的とした。 2.(研究実施計画)(腫瘍移植実験)骨肉腫の症例から得た腫瘍組織塊を細片化し、ヌードラット大腿骨に細片を注入し、腫瘍の径が約5mmに達した後に実験を開始した。(骨への通電実験)麻酔下に電極を経皮的に刺入し、腫瘍占拠部位の近位と遠位に2本の電極を立てて、遺伝子導入装置BTX社製ELECTRO SQUARE PORATOR(T820)を用い通電した。DCパルスの実効値(電圧)および骨の抵抗値を測定し、X線像から腫瘍の大きさ・範囲について経時的に観察した。 3.(研究実績)腫瘍移植実験:メードラットの大腿骨骨髄内への細片化腫瘍の注入後、腫瘍占拠部位の大きさが長軸方向で長径10mm、水平方向で横径5mmに達するのに平均7週間を要した。 骨への通電実験:大腿骨の腫瘍占拠部位の近位と遠位の骨表面に針電極を設置し抵抗値を計測した。X線像から腫瘍の大きさについて経時的に観察し、electrochemotherapy群において腫瘍径の縮小が認められた。電極間の距離が10mm、15mm、20mmと間隔を広げた群においても腫瘍径の縮小は得られている。それぞれについて組織学的評価を経時的に行っている。
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