1999 Fiscal Year Annual Research Report
筋・骨格系細胞に対する伸張刺激で発現する遺伝子のクローニングとその解析
Project/Area Number |
11671418
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
和田 佑一 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (10282485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐粧 孝久 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (20312952)
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Keywords | 伸張刺激 / Differential display / クローニング / メカノレセプター / 膜型レセプター |
Research Abstract |
骨芽細胞系細胞株MC3T3E.1の培養に際し、一群には伸張刺激を付与し、他群には刺激を与えずに培養した。この2群の各々の細胞から得たRNAに対しDIFFERENTIAL DISPLAY法を適用することで、伸張刺激特異的に発現してくるような遺伝子の断片をクロー二シグした。RNAプロットにて、この遺伝子の大きさは7.0キロベースペアであることがわかると同時に、マウスでは心、骨格筋、肺、脳などの組織でこの遺伝子の発現がみられることがわかった。その後この遺伝子片をプローブとし、骨格筋のcDNAライブラリーをスクリーニングし、得られた遺伝子の塩基配列を下流から2.3キロベースペアの長さまで決定した。データベースとの間でホモロジー検索をしたところ、この遺伝子は7回細胞膜を貫通する膜型のレセプター遺伝子ファミリーに属する未知の遺伝子であることがわかった。このレセプターのファミリーには光受容体であるロドプシンが含まれている。圧負荷、伸張刺激,剪断力などの各種機械的刺激に細胞が応答することがわかってきているが、こうした刺激を感知するメカノレセプターとしてはイオンチャンネルが知られている。リガンドがないという点でメカノレセプターはロドプシンと共通していることを考えると、7回膜貫通型のレセプターの中にもメカノレセプターとして働くものがある可能性が考えられ、今回の結果はこの可能性を支持するひとつの傍証といえる。
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