1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヒアルロン酸合成酵素遺伝子導入による変形性膝関節症抑御に関する研究
Project/Area Number |
11671421
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坪井 寿和 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80302694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 久忠 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10262007)
池田 敏之 東京大学, 医学部・附属病院, 助手
福田 明 東京大学, 医学部・附属病院・分院, 医員 (90302695)
中村 耕三 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (60126133)
田中 栄 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50282661)
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Keywords | アデノウィルス / ヒアルロン酸 / 変形性膝関節症 |
Research Abstract |
1、まず予備実験として、ウサギにおける変形性膝関節症(以下膝 OA)モデル確立のための実験を行った。これまで、膝 OAのモデルとしては、膝半月板切除、膝前十字靭帯(以下膝 ACL)切除、ACL 切除+半月板切除、 ACL 切除+内側々副靭帯切除+半月板切除などの手術操作によるモデルが多く報告されている。それらのうち、比較的容易なモデルとして1)膝前十字靭帯切除+内側半月板切除モデル、2)ACL切除モデルを作成し、比較検討した。その結果、前者では6週の時点ですでにOAの病期分類は末期であり、骨棘形成著明、後者では11週で中等度のOAであった。実験を進めてゆくにあたって前者モデルでは進行が急速すぎ、効果発現の評価が困難と考え、後者のACL切除モデルを使用することに決定した。 2、続いて、関節滑膜細胞へアデノウィルスにより遺伝子の導入が行われるか、確認の実験を行った。LacZ遺伝子を組み込んだアデノウィルスを経皮的に膝関節内に注射し、1週間後にX-galで染色した。その結果、滑膜細胞内にLacZの染色を確認し、アデノウィルスの経皮的関節内注により遺伝子導入が可能であることを確認した。 3、ヒアルロン酸合成酵素(以下HAS)はHAS1,2,3のアイソザイムが報告されているが、1998年にHAtagで標識したHAS2遺伝子を組み込んだアデノウィルスベクター(以下HASウィルス)が作成された。長寿医療研究センターの協力により当ウィルスの提供を受け、現在HASウィルスを正常ウサギ膝関節内に注入し、ヒアルロン酸の合成促進が引き起こされているか否かを検討中である。今後はこの合成発現を確認後、OAモデルに使用する予定としている。
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