1999 Fiscal Year Annual Research Report
神経障害性疼痛により後根神経節において発現変化を受ける遺伝子群の検索
Project/Area Number |
11671423
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
安部 理寛 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10302845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 崇 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (60282745)
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Keywords | 神経障害性疼痛 / 後根神経節 / 神経根 / イオンチャンネル |
Research Abstract |
一次知覚神経が傷害されることによって起こる神経障害性疼痛のモデルとして、障害部位の違う3種類のモデルを作成した。実験動物はラットを用いた。後根神経節よりもすぐ遠位で神経を結紮するモデル(いわゆるChungのモデル)、椎間孔にステンレスロッドを挿入し後根神経節を直接圧迫するモデル(Hu&Xingのモデル)および後根神経節よりもすぐ近位で神経を結紮するモデルの3種類であった。またそれぞれの神経障害性疼痛モデルに対応するSham手術群を作成した。 それらのラットに対し行動学的検査を行うと、3種類の神経障害性疼痛モデルはいずれも、von Frey刺激毛による機械的刺激に対しても、熱刺激に対しても、処置後過敏な状態となっていた。それに対しSham手術群では変化はなかった。 障害神経の後根神経節を摘出してRNAを抽出し、RT-PCR法により遺伝子発現変化を検索した。Chungのモデルで後根神経節において発現の増加が報告されているCaチャンネルα2δサブユニットおよびNaチャンネルαサブユニットのひとつであるtypeIIIに関しては、我々の結果においてもChungのモデルでは著明な発現の増加が確認されたが、後根神経節圧迫モデルや後根神経節よりも近位での結紮モデルでは変化がなかった。一方、末梢神経切断により後根神経節において発現の現象が報告されているNaチャンネルαサブユニットのひとつであるSNSおよびNaNに関しては、Chungのモデルでは報告と同様に著明な発現の減少を認め、また後根神経節圧迫モデルや後根神経節よりも近位での結紮モデルでも発現が減少する傾向がみられた。
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