1999 Fiscal Year Annual Research Report
骨軟部肉腫の特異的遺伝子異常を利用した新しい治療法の開発
Project/Area Number |
11671432
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉川 秀樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60191558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 哲也 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30283766)
名井 陽 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10263261)
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Keywords | 骨軟部肉腫 / 融合遺伝子 / 滑膜肉腫 / ユーイング肉腫 / 染色体 / アンチセンス |
Research Abstract |
新規に6例の滑膜肉腫のSYT-SSX融合遺伝子について解析を行った。すなわち病理組織像にて滑膜肉腫と診断のついた症例、及び対照として、その他の悪性軟部腫瘍12例について、生検時あるいは広範切除時の腫瘍組織を用いて染色体の解析と、融合遺伝子の発現をRT-PCR法にて調べた。その結果、滑膜肉腫では全例で、融合遺伝子が確認されたが、対照の軟部肉腫では、検出できなかった。この融合遺伝子のsubtypeであるSSX1とSSX2の機能解析では、SSX1が4例、SSX2が2例であった。さらに、SYT-SSX遺伝子が機能分子としての蛋白を発現していることを確認するために、SYT-SSX融合蛋白に対する特異的ポリクローナル抗体を作製し、遺伝子産物の検出を試みた。次に、461アミノ酸からなるSYT-SSX融合蛋白の内、親水性アミノ酸が豊富なC末端側(SSX側)96アミノ酸を用いて、同部分のcDNAをpGEX5X発現ベクターに組み込み、リコンビナント蛋白をplutathione S-transferase(GST)との融合蛋白質として大腸菌で大量発現させた。得られた蛋白をGST吸着カラムにより精製し、ウサギ背部皮内に免疫した。2週毎5回免疫後、採血し、硫安沈殿とアフィニティーカラムにより精製した。一方、SSX1、SSX2の2つのサブタイプからなるSYT-SSX遺伝子の全長cDNAを各々腫瘍組織から単離し、CAGpromoter下に組み込み発現ベクターを構築した。これらのコンストラクトをNIH3T3細胞に導入し融合蛋白を発現させた。作製した抗体を用いて、この合成SYT-SSX融合蛋白の分子量を検定した結果は、免疫沈降にて約60kDのバンドとして検出され、本抗体の有用性が確認できた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N.Hashimoto: "SYT-SSX Fusion Proteins in Synovial Sarcomas: Detection and Characterization with New Antibodies"Cancer Letters. 144. 1-6 (1999)
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[Publications] H.Ono: "Expression of smooth muscle calponin in synovial sarcoma"Sarcoma. 3. 107-113 (1999)