2001 Fiscal Year Annual Research Report
骨軟部肉腫の特異的遺伝子異常を利用した新しい治療法の開発
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11671432
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉川 秀樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60191558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 哲也 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30283766)
名井 陽 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10263261)
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Keywords | 骨軟部肉腫 / 融合遺伝子 / 滑膜肉腫 / ユーイング肉腫 / 染色体 / アンチセンス |
Research Abstract |
1)滑膜肉腫は紡錘型細胞肉腫でしばしば病理診断で難渋するが、SYT-SSX融合遺伝子が特異的に検出されることを応用し、より簡便な診断方法の確立を目指しSYT-SSX蛋白に対する特異抗体の作成を試みた。抗原として用いたのはSYT-SSX融合遺伝子のbreak point部分を含む15ペプチドで、SYT-SSX1,2に共通の配列である。このペプチドを化学合成しウサギに免疫し抗血清を得た。 この抗血清のSYT-SSX融合遺伝子産物の検出における有用性を検討するため、蛍光抗体法、ウエスタンブロット法、免疫沈降法、ELISA法、病理診断における有用性を検討するため組織切片に対する蛍光抗体法、免疫組織化学染色を行った。 COS7細胞にSYT-SSX融合遺伝子のcDNAをトランスフェクションし強制発現させた場合、蛍光抗体法にて融合遺伝子産物が検出可能であった。whole cell ELISAでは、コントロールに比べやや強い抗体の結合が見られるものの、有意差は無かった。ウエスタンブロッティングでは、多数の非特異的バンドが出現しSYT-SSX蛋白の検出は不可能であった。以前に我々が作成した抗SYT抗体にて免疫沈降し、今回作成した抗ペプチド抗体でブロットすると、強発現させたSYT-SSX融合遺伝子は60Kdのバンドとして検出可能であった。また、滑膜肉腫の細胞株HS-SY-IIでは、免疫沈降法でのみ融合蛋白が検出可能であった。 本抗体は滑膜肉腫組織切片では、蛍光抗体法、免疫組織化学染色とも融合蛋白の検出はできなかったが、蛋白抽出を行ってからの融合蛋白の検出には有用である。 2)滑膜肉腫の発生におけるSYT-SSX遺伝子産物の役割を検討するためCMVプロモーターを用いてSYT-SSX2遺伝子を強制発現させたトランスジェニックマウスを作成した。現在、8ケ月間まで経過観察しているが腫瘍発生は見られていない。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yoshikawa, H.: "Melorheostosis with heterotopic ossification"Orthopedics. 24. 493-494 (2001)
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[Publications] Ladanyi, M.: "The der (17)t(X;17)(p11;q25) of human alveolar soft part sarcoma fuses the TFE3 transcription factor gene to ASPL, a novel gene at 17q25"Oncogene. 20. 48-57 (2001)
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[Publications] Hashimoto, N.: "Detection of SYT-SSX fusion gene in peripheral blood from a patient with synovial sarcoma"American Journal of Surgical Pathology. 25. 406-410 (2001)
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[Publications] Seki, H.: "Mutation frequencies of EXT1 and EXT2 in 43 Japanese families with hereditary multiple exostoses"American Journal of Medical Genetics. 99. 59-62 (2001)
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[Publications] Matsui, Y.: "Alternative splicing of fibronectin transcripts in osteochondrogenic tumors"Anticancer Research. 21. 1103-1106 (2001)
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[Publications] Kudawara, I.: "In vivo inhibition of tumour growth by dexamethasone in murine osteosarcomas"European Journal of Cancer. 37. 1703-1708 (2001)