2000 Fiscal Year Annual Research Report
関節軟骨細胞に対するアデノシンの効果-変形性関節症の病態進行に関連して-
Project/Area Number |
11671440
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
川谷 義行 愛媛大学, 医学部, 講師 (60274320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾形 直則 愛媛大学, 医学部, 助手 (30291503)
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Keywords | 関節軟骨 / アデノシン / アポトーシス / 細胞死 |
Research Abstract |
ウサギ関節軟骨由来の培養細胞を用いて、アデノシンが細胞増殖能、細胞障害(アポトーシス)に与える影響を調べた。non-selectiveなアデノシンレセプターアゴニストある2-chloroadenosine(Sigma)を軟骨細胞に投与して,[^3H]thymidineの取り込み活性で細胞増殖能を評価した。2-chloroadenosineを軟骨細胞に12時間曝露したところ濃度依存的に細胞増殖能を抑制し,EC50 valueは約5μMであった。また2-chloroadenosineを軟骨細胞に48時間曝露して,生細胞数を反映するMTT assayにて細胞傷害作用を評価したところ,濃度依存的に細胞傷害作用を示し,EC50 valueは30μMであった。アデノシンによる軟骨細胞の細胞増殖能抑制と,細胞傷害作用はどのアデノシンレセプターサブタイプを介して作用するのかを調べるため,現在までに報告され,且つ入手可能なアデノシンレセプターサブタイプのアゴニスト、アンタゴニストを用いて、[^3H]thymidineの取り込み活性とMTT assayで検討したが,レセプターの同定には至らなかった。更に細胞核の変化を,DNA結合性蛍光色素アミノベンズイミド(Hoechst 33342)で染色して観察したところ、2-chloroadenosineを100μMの濃度で投与後,ほぼ全ての細胞において細胞核の濃縮と断片化,アポトーシス小体の形成等アポトーシスの形態的変化を確認した。2-chloroadenosineを投与した軟骨細胞からDNAを抽出して,アガロースゲル中で電気泳動した。軟骨細胞では180から200塩基対の整数倍の長さでDNAが切断されており,アポトーシスの特徴であるDNA ladder formationを確認した。
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