1999 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄グリア細胞に対するニコチンレセプターアゴニストの効果
Project/Area Number |
11671441
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
松田 芳郎 愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (70110830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾形 直則 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (30291503)
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Keywords | 脊髄 / ニコチン型レセプター / マイクログリア / アポトーシス |
Research Abstract |
ラット脊髄より培養したマイクログリアを用いてニコチン型アセチルコリンレセプターの作用を調べた。即ち、ニコチン型アセチルコリンレセプターの刺激がアルツハイマー病などの神経変性疾患に関与していると考えられているマイクログリアにどのような影響を与えるかを調べる研究である。まず、我々はLPS刺激による培養マイクログリアからのTNF-αやNOの放出がニコチン型アセチルコリンレセプターアゴニストのMethylcarbamylcholine(MCC)の投与により変化するかどうかを観察した。培養マイクログリアをLPS(100ng/ml)に24時間暴露し、培地中に放出されたTNF-αとNOをそれぞれELISA法とGries reactionで測定した。結果は残念ながら影響が無いというものであった。続いてMCCがマイクログリアの細胞死を引き起こす可能性を検討するためベーリンガー社の細胞アポトーシス検出キットを用いた検討を行った。MCCは投与後約12時間で培養マイクログリアのDNAにfragmentationを濃度依存性に引き起こすことが観察された。今後は、このキット以外に形態的観察などを加え、ニコチンのマイクログリアに対する効果をさらに詳細に調べていく予定である。また、マイクログリア以外のグリア細胞であるアストロサイトの培養も行っており、この細胞に対するMCCの効果も検討を行う。アポトーシスやTNF-α、NOなどの比較的遅い反応のみでなく細胞内カルシウム変化などの速い変化についても検討を加えたい。
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