1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11671449
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
三井 宜夫 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70145845)
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Keywords | 骨肉腫 / 悪性線維性組織球腫 / p53 / p16 / p19 |
Research Abstract |
1)高転移系可移植性ラット骨肉腫の肺転移巣より樹立した細胞株を用いて野生型p53の導入実験を施行した。遺伝子の導入はlipofection法により行い、細胞増殖、アポトーシス関連遺伝子の発現等を検討した。その結果、細胞増殖はcontrolに比べ、約70%に抑制され、また遺伝子発現についてはp21/Waf1およびBax遺伝子には変化がみられなかったが、Bcl-2の発現量が減少しており、野生型p53導入細胞では、DNA断片化が観察された。これらの結果より、野生型p53による骨肉腫細胞増殖抑制効果の一端は、Bcl-2の発現量が抑制に伴うアポトーシスが関与していることが示唆された。 2)可移植性ラット悪性線維性組織球腫の背部皮下腫瘍より、骨肉腫の肺転移巣より細胞株を樹立したのと同一の方法によりラット悪性線維性組織球腫細胞株MFH1NR,MFH2NRを樹立した。 3)p16およびp19遺伝子の発現について、ラット骨肉腫細胞株COS1NR,COS2NR,COS4NRおよび高転移系ラット骨肉腫継代株の皮下腫瘍、肺転移巣ならびにラット悪性線維性組織球腫細胞株MFH1NR,MFH2NRおよびそれらのラット背部皮下への戻し移植におる皮下腫瘍に関してRT-PCR法にて検索した。その結果、いずれの細胞株においても、p16およびp19遺伝子の発現は同時に見られ、また骨肉腫の背部皮下腫瘍とその肺転移巣における発現、悪性線維性組織球腫の皮下腫瘍における発現も同時に観察された。従って、これら遺伝子の発現量と転移能の相関は考えにくく、現在これら遺伝子のgenomeレベルでの変異をPCR-SSCP法に検索しつつある。
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Research Products
(1 results)