1999 Fiscal Year Annual Research Report
椎間板ヘルニアの神経根障害に関する病理学的、免疫組織学的検索
Project/Area Number |
11671456
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
持田 讓治 東海大学, 医学部, 助教授 (50174347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 永廉 東海大学, 医学部, 助手 (70266419)
西村 和博 東海大学, 医学部, 助手 (20266422)
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Keywords | 椎間板ヘルニア / 髄核 / 神経根 / 神経障害 |
Research Abstract |
本研究の目的は、椎間板へルニアによる神経根への化学的悪影響の有無を検討することである。(方法)体重1.3kg前後の日本白色家兎12匹の腰椎3椎間板に、髄核吸引法による椎間板変性を作成した。4週後に同椎間板から髄核成分と線維輪を摘出した。第4、5腰椎椎弓切除後、第4/5腰椎間神経根上に、3匹には髄核組織を、3匹には線維輪組織をのせ、残りの3匹ずつにはおのおの髄核あるいは線維輪をのせたあとに、東考案による神経根圧迫器を装着し、脊柱管前後径の50%までの圧迫を加えた。4週後に屠殺し、2.5%glutaraldehyde,1%osmium tetroxideで固定し、epoxy包埋によるトルイジンブルー染色と、パラフィン切片による組織学的検索を行った。(結果)電顕的観察にて、ミエリンの構造の破綻は神経根圧迫例にのみみられ、髄核、線維輪単独負荷例ではミエリンの破綻、小口径線維の増大などはみられなかった。神経根周囲の炎症性細胞出現は髄核単独負荷例および髄核負荷+神経根圧迫例でみられたが、個体ごとの差が大きく、髄核負荷に特徴的な所見ではないと考えられた。(考察)当該神経根の軸索流の検索、T-cell系、macrophageの検索を続行中であるが、この実験系の結果から、椎間板組織が神経根に対して化学的悪影響を与えている事実は示されなかった。すでに多数報告されている正常髄核による神経根への化学的悪影響とは異なる結果である。
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