2000 Fiscal Year Annual Research Report
椎間板ヘルニアの神経根障害に関する病理学的、免疫組織学的検索
Project/Area Number |
11671456
|
Research Institution | TOKAI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
持田 讓治 東海大学, 医学部, 助教授 (50174347)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 永廉 東海大学, 医学部, 講師 (70266419)
|
Keywords | 椎間板ヘルニア / 髄核 / 神経根 / 神経障害 |
Research Abstract |
体重1から1.3Kgの日本白色家兎20匹(第5群10匹、第6群10匹)を用いる。第5群では椎間板変性モデルを作成する。第6群では椎間板に対する髄核成分吸引手技は行わず、すなわち変性なし椎間板の髄核、線維輪片の摘出を行う。両群共に椎間板組織の神経根上への留置後4、8週で屠殺し通常の病理学的検索と免疫組織学的手法によるT-cell系、macrophageの検索を行う。すなわち、留置した椎間板成分と神経根を顕微鏡下に剥離後切離し、-80゜Cに急速凍結し、7μの切片を作成する。T-cellの検索にはanti-CD4とanti-CD45を、またmacrophageの検索にはanti-CD68,anti-CD11bを一次抗体として用いた。病理組織学的検索では、第5群の4週、8週群ともに、椎間板組織留置側の神経根周囲に、リンパ球系の細胞浸潤がやや多く観察された。血管組織の新生はみられなかった。一方第6群では、椎間板組織留置側の神経根周囲に第5群と比べ多数のリンパ球様細胞の浸潤がみられ、椎間板組織を取り囲む形を呈する切片も多かった。同様に椎間板辺縁部の血管新生がみられる切片もみられた。T-cell系の検索では腸間膜リンパ節の染色性を対照として用いた。第5群では留置椎間板組織内、およびその辺縁、神経根辺縁部のCD4,CD45の染色性は共に陰性であった。一方、正常椎間板組織を留置した第6群では、検索した切片の内、28%がCD4に、また18%がCD45で染色されていた。Macrophageの検索はCD4およびCD45で明らかに染色された個体で詳細に検討したが、CD4,CD45の染色陰性例でも染色される例もあり一定の傾向が得られなかった。しかし、病理学的観察でリンパ球浸潤が著明な切片では、CD4,CD45,CD68,CD11bに染色される傾向が高かった。
|