2000 Fiscal Year Annual Research Report
コンピューター画像解析による人工関節の固定性に関する早期評価法に開発
Project/Area Number |
11671459
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Research Institution | JIKEI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
竹内 秀実 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10179616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 卓也 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10176919)
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Keywords | 人工股関節 / コンピュター画像解析 / loosening / Spot welds(海綿骨緻密化) / porous構造 / ステムの固定性 / レーザーデジタイザ |
Research Abstract |
我々は、人工股関節の初期固定性を明らかにするため、術後早期のX線写真を経時的にコンピュータ画像処理し、大腿骨に生じている骨の微細な変化を明らかにするシステムを開発してきた。本研究では、同システムを用いて人工関節の初期固定性を詳細に検討すること、ならびに同システムの精度をさらに高めることを目的とした。 X線フィルムの画像入力システムにArray社レーザーフィルムデジタイザを導入する事が可能になったが、現行使用しているコンピュータとのマッチングに時間を費やした。これはSCSIのドライバソフトの変更および、SCSIボードの変更により解決した。この入力機器を活用することにより、12bit4069段階のグレースケールでの入力が正確に可能となった。 本年度、検討対象の一つとしたのは、セメントレス人工関節の中でも最も歴史のある慈恵医大式第1世代人工股関節(1971年から1979年に臨床使用)である。132例の術後30年近い経過をX線的に追跡できる症例を対象に画像解析を行った結果は、術後数年以内に形成されるステム周囲のcancellous condensation(いわゆるSpot welds)が形成された症例は全例においてステムの固定性は良好で、術後20年以上にわかって、沈下、looseningは生じず、かつ、このX線学的な徴候は継続して観察されることが客観的に証明された。第1世代のこのステムは現在広く応用されているporous coatingの理論が出現する以前の機種であるため、骨とのmicro anchoring理論に則ったものではなかったが、表面にクロスハッチの細い刻み目処理(500μdepth,200μwidth)が施されており、これが、不完全ながらporous構造のような機能を果たしたものと仮定することが可能であった。すなわち本研究は、spot weldsとステムの固定性の関連を検討した、最も長期経過を客観的な手段を活用し関節し得た報告の一つであり、今後のセメントレスステムの長期にわたる運命を予測しうる徴候を証明した。 また、アルミニウムステップウェッジの精度の高いものをアルミ箔を積層させた構造で作製を行い、定量化表示に関しても検討を行った。
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