1999 Fiscal Year Annual Research Report
強直性脊椎炎の病因に関する免疫学的検討およびその原因療法の開発
Project/Area Number |
11671460
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
岡田 弥生 東邦大学, 医学部, 助手 (60256758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 文雄 東邦大学, 医学部, 講師 (10130345)
垣内 史堂 東邦大学, 医学部, 教授 (40126024)
岡島 行一 東邦大学, 医学部, 教授 (60104212)
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Keywords | 骨化 / 免疫能低下 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究ではまず骨化マウスと正常マウスにおける各種免疫能や骨化を促す増殖因子に関与するシグナル物質の相違に注目した。 1、骨化マウスとなるtransgenic mauseの作成は本年度は計画のみとなったため来年度に持ち越す。 2、これまでの研究から、骨化患者では各種免疫能、特にT細胞機能の低下が示唆された。この結果に基づき、まずコントロールマウスにおいてその各種免疫能を検討した。本教室ではC57BL/6マウスにおいてウサギIgGに特異的なT細胞クローン(RT-7B)が作成されており、免疫能の指標としてこの抗原提供能について検討した。方法はB6マウスの末梢血、およびspleen由来のリンパ球よりT、B細胞を分離し、この活性をCD3反応性やF(ab)_2反応性で検討するとともに抗原提供能をこのB細胞のRT-7B反応性で検討した。その結果、resting B細胞にてintact Igによるアポトーシスがみられ、抗原特異的なTクローンRT-7Bを添加することでアポトーシスからの回避が確認された。RT-7BをCD3刺激したところ6時間後にCD40Lの発現が見られ、さらに抗CD40抗体でRT-7Bと同様にアポトーシスからの回避がみられたことからこの反応にはCD40-CD40Lが関与していることが明らかとなった。次にシグナル伝達系を検討したところ、CD19,csk,PKBの関与が示唆された。従って正常マウスではアポトーシスからの回避にT細胞、特にTh1細胞の関与が明らかとなった。骨化マウスではこのTh1機能が低下している可能性が考えられる。そこで本年度のコントロールマウスのデータから、来年度はtwyマウスにて様々な免疫能を検討していく予定である。シグナル系としては現在骨化を誘導すると考えているTGF-βやBMPとの関与を考えてSmadやAP-1等を検討する予定である。さらに、強直性脊椎炎患者による検討を計画通り遂行する。
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