2001 Fiscal Year Annual Research Report
強直性脊椎炎の病因に関する免疫学的検討およびその原因療法の開発
Project/Area Number |
11671460
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
岡田 弥生 東邦大学, 医学部, 助手 (60256758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 文雄 東邦大学, 医学部, 講師 (10130345)
垣内 史堂 東邦大学, 医学部, 教授 (40126024)
岡島 行一 東邦大学, 医学部, 教授 (60104212)
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Keywords | 骨化 / 免疫能低下 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究ではまず骨化マウスと正常マウスにおける各種免疫能や骨化を促す増殖因子に関与するシグナル物質の相違に注目した。 1、骨化マウスとなるtransgenic mauseの作成は現在進行中で来年度に持ち越す。 2、これまでの研究から、骨化患者では各種免疫能、特にT細胞機能の低下が示唆された。この結果に基づき、本年度はT細胞機能低下について詳しく検討した。骨化にはTGF-βが関与するため、まずその影響を検討した。患者群ではPHA反応性の低下が見られ、マウスにおける検討でもT細胞機能低下が見られた。昨年に続きT細胞期の抑制効果をシグナルレベルで検討したところ、T細胞活性化の初期に関与するFyn,Zap-70,Lckのチロシンキナーゼの燐酸化が低下していることが明らかとなった。さらに細胞表面にあるシグナル伝達物質の集まる場所:raftを分離精製してシグナル物質の変化を健闘したところ、raftに集まるシグナル物質が特異的に低下してT細胞機能低下を招いていることが明らかになった。 現在twyマウスを購入し、このマウスとコントロールマウスにおいてそのシグナル伝達の違いを詳細に検討している途中である。特にT細胞活性化に関与するIL-2産生経路に対する影響を詳細に検討する。また、骨化に関与するシグナルとしてSmadやAP-1も検討するが、特にAP-1はIL-2産生にも密接に関係しているためこの因子に注目していく。 3、強直性脊椎炎患者による検討は計画通り遂行している。症例数が少ないが着実にこなしていく予定である。 4,我々は整形外科学教室との共同でOPLL患者においてその骨化とホルモン、特にエストロゲンとの関与を証明している。本疾患でも同様な骨化が見られるため、各種ホルモンとの関係がどのようになっているかを同様に検討していく予定である。
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