2000 Fiscal Year Annual Research Report
新しいキメラベクターの開発と骨軟部腫瘍に対するコンビネーション遺伝子治療法
Project/Area Number |
11671464
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小宮 節郎 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30178371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 昇 鹿児島大学, 医学部, 医員
石堂 康弘 鹿児島大学, 医学部, 医員
伊藤 博史 鹿児島大学, 医学部, 助手 (40223177)
小戝 健一郎 久留米大学, 医学部, 助手 (90258418)
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Keywords | 遺伝子治療 / 骨肉腫 / サイトカイン / 自殺遺伝子 / アデノウイルスベクター / 肺転移 |
Research Abstract |
<目的>現在有効な治療法のない骨肉腫肺転移に対する新しい治療法としての遺伝子治療の早期の臨床応用を目的として、臨床像を反映する動物モデルにおける自殺遺伝子治療およびサイトカイン遺伝子治療治療効果を検討する。 <今年度の研究実績>骨肉腫モデル動物の作成:マウス骨肉腫細胞株LM8をマウス皮下注入に加え尾静脈より注入することで全例に原発巣と致死的肺転移巣をおこすモデルを作成した。アデノウイルスベクター(ADV)によるヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(HSV-tk)およびインターロイキン-2(IL-2)遺伝子治療:LM8はADVによる遺伝子導入効率が非常に低値であり、HSV-tk/GCV療法では治療効果が得られなかった。これに対しIL-2遺伝子治療は原発巣への1回のADVの注入で原発巣の増殖抑制だけでなく肺転移の著明な抑制効果を認めた。 <考察および今後の方針>遺伝子治療の真の効果を評価するためには適切な動物モデルによる検討が必要であると考えられ、今回我々は骨肉腫の臨床像を反映する動物モデルを作製した。さらにこのモデルにおいて、ADVによる遺伝子導入効率の低い骨肉腫でもIL-2のような分泌蛋白を局所で産生させることにより遠隔転移までにも治療効果が得られることを明らかにした。今後は様々な腫瘍細胞株に対し、IL-2以外のサイトカイン遺伝子治療や、HSV-tkとのコンビネーション遺伝子治療を行い、臨床応用を目指して副作用を含めた詳細な検討、プロトコールの最適化を行う予定である。
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[Publications] 寺崎泰宏: "胃癌肝転移に対する臨床応用をめざした自殺遺伝子HSV-tk治療の研究"Biotherapy.. 14・5. 498-501 (2000)
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[Publications] Ishida H.: "Expression of the SART1 tumor-rejection antigen in human osteosarcomas."International Journal of Oncology.. 17・1. 29-32 (2000)
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[Publications] Komiya S.: "Development of a solitary bone cyst-a report of a case suggesting its pathogenesis."Archives of Orthopaedic and Trauma Surgery. 120・7-8. 455-457 (2000)
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[Publications] Zenmyo M.: "Giant juxtacortical chondrosarcoma of the humerus."Orthopedics. 23・5. 497-498 (2000)