1999 Fiscal Year Annual Research Report
ノシセプチン受容体と脊髄内コリン作動性鎮痛系の連関
Project/Area Number |
11671472
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
太田 善博 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (00142802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原澤 克巳 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (30271662)
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Keywords | Orphanin FQ / nociceptin / ノシセプチン / 新生ラット / Wind-up / 疼痛 / オピオイド / 脊髄 / in vitro |
Research Abstract |
研究目的:脊髄内コリン作動系および孤立型オピオイド様受容体であるOrphaninFQ/nociceptin(ノシセプチン)受容体は痛覚に深く係わっている。本年度は、新生ラット遊離脊髄標本を用い、脊髄内疼痛伝達におけるノシセプチン受容体の機能的役割を解明した。 研究方法:新生ラット遊離脊髄標本において、後根への反復電気刺激(刺激強度>50V,持続0.2msec;1Hz,20回)は、前根に次第に増強する脱分極電位(wind-up)を誘発した。ノシセプチン(10,30および100nM)のwind-upに対する抑制作用を解析することにより疼痛伝達抑制効果を定量的に評価した。 成績:wind-up電位は刺激開始時(平均0.41±0.06mV)よりも最終刺激時(平均0.57±0.09mV)の方が優位に大きかった。ノシセプチンはwind-upを容量依存性に抑制した。ノシセプチン10nM、30nMおよび100nM投与における最終刺激時wind-up電位は、対照値のそれぞれ、87.8%、81.2%および72.0%であった。また、ノシセプチン100nMによるwind-upの抑制はナロキソン400nMにより拮抗されなかった。 考察:脊髄内ノシセプチン受容体は疼痛伝達抑制に重要な役割を担っていることが明らかになった。この抑制はナロキソンに感受性を有しないことから、従来型のオピオイド受容体とは異なる受容体を介することが示唆された。
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