1999 Fiscal Year Annual Research Report
揮発性吸入麻酔薬のもつ免疫抑制作用の機序解明及びその指標化と定量化に関する研究
Project/Area Number |
11671475
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 正人 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50169520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 博 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (40302111)
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Keywords | アポトーシス / programmed cell death / 吸入麻酔薬 |
Research Abstract |
本研究の目的は以下の3点に要約できる。1)揮発性吸入麻酔薬はT細胞のアポトーシスを直接誘導するか? 2)この揮発性吸入麻酔薬によるT細胞の直接的アポトーシス誘導は吸入麻酔薬の種類により相違が認められるか? 3)吸入麻酔薬による不細胞の直接的アポトーシス誘導は吸入麻酔薬の免疫抑制度あるいは免疫毒性の指標となるか? これら3点を明らかにし吸入麻酔薬の免疫抑制作用の根本的原因を解明する。 結果:(1)揮発性吸入麻酔薬イソフルレンによる脾臓T細胞および胸腺細胞の直接的アポトーシス誘導に関する定性的実験-イソフルレンはT細胞のアポトーシスを容量依存性に誘導する。 (2)揮発性吸入麻酔薬セボフルレンによる脾臓T細胞および胸腺細胞の直接的アポトーシス誘導に関する定性的実験-高濃度セボフルレン(2.0MAC)はT細胞にアポトーシスを誘導する。 (3)揮発性吸入麻酔薬イソフルレンおよびセボフルレンによる脾臓T細胞および胸腺細胞の直接的アポトーシス誘導に関する定量的実験 結果(1)および(2)のアガロースゲルによる電気泳動法をもちいたLadder formationの程度と一致した結果が観察された。 (4)揮発性吸入麻酔薬イソフルレンによる脾臓T細胞および胸腺細胞の直接的アポトーシス誘導におけるメッセンジャーRNA誘導の必要性に関する実験-揮発性吸入麻酔薬によるアポトーシス誘導にメッセンジャーRNAの誘導は必要ない。 結論:揮発性吸入麻酔薬イソフルレンとセボフルレンは脾臓T細胞と胸腺細胞のアポトーシスを直接誘導する。またイソフルレンはセボフルレンに比較しアポトーシス誘導の程度が大きいと考えられた。
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