2000 Fiscal Year Annual Research Report
揮発性吸入麻酔薬のもつ免疫抑制作用の機序解明及びその指標化と定量化に関する研究
Project/Area Number |
11671475
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 正人 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50169520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 博 東北大学, 大学院・附属病院, 助手 (40302111)
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Keywords | アポトーシス / programmed cell death / 吸入麻酔薬 |
Research Abstract |
本研究の目的は以下の2点に要約できる。1)揮発性吸入麻酔薬は、ヒト末梢血単核細胞にアポトーシスを誘導するか? 2)この揮発性吸入麻酔薬によるヒト末梢血単核細胞の直接的アポトーシス誘導は吸入麻酔薬の種類により相違が認められるか? これら2点を明らかにし吸入麻酔薬の免疫抑制作用の根本的原因を解明する。 結果:(1)揮発性吸入麻酔薬イソフルレンによるヒト末梢血単核細胞のアポトーシス誘導に関する定性的実験-イソフルレンはヒト末梢血単核細胞のアポトーシスを容量依存性に誘導する。 (2)揮発性吸入麻酔薬セボフルレンによるヒト末梢血単核細胞のアポトーシス誘導に関する定性的実験-高濃度セボフルレン(2.0MAC)はヒト末梢血単核細胞にアポトーシスを誘導する。これらのアポトーシスに、Fasリガンドの関与する可能性は否定的な結果が得られた。 結論:揮発性吸入麻酔薬イソフルレンとセボフルレンはヒト末梢血単核細胞のアポトーシスを用量依存性に誘導する。またイソフルレンはセボフルレンに比較しアポトーシス誘導の程度が強いと考えられた。揮発性吸入麻酔薬によるヒト末梢血単核細胞のアポトーシスが術後免疫抑制の一因となる可能性が示唆された。
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