1999 Fiscal Year Annual Research Report
吸入麻酔薬がLPS刺激によるiNOS誘導におよぼす効果
Project/Area Number |
11671477
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
真崎 容子 秋田大学, 医学部, 助手 (30125744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 博文 秋田大学, 医学部, 助手 (20282171)
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Keywords | 一酸化窒素 / リポポリサッカライド / イソフルラン |
Research Abstract |
リポポリサッカライド(LPS)やサイ卜カインにより、平滑筋細胞やマクロファージ内にはinducible nitric oxide synthase(i NOS)が誘導され、それにより産生されている過剰なNOは、エンドトキシンショック時の血圧低下の一因と考えられている。今年度の本研究においては、各種サイトカインの産生抑制が報告されている吸入麻酔薬のイソフルランが、LPS刺激によるNO産生におよぼす影響について、マウス腹腔マクロファージを用いて検討した。【方法】チオグリコレート培地をマウス(C3H/He,♀6W)の腹腔内に2ml投与し、4日めに腹腔内細胞を採取した。これを1×10^6個の濃度に調整後、直径6cmのデッシュに分注し2時間CO2インキュベーターで培養し,非付着細胞を除去後、マクロファージを得た。このデッシュ内にLPS(1μg/ml)を添加あるいは非添加した培地を加え、内部のガス濃度をCO_25%およびイソフルラン0%、1%または5%濃度に調整したアクリルボックス内で37℃、16時間培養した。培養液中に産生されたNOは、NO Analyzer(SIEVERS)にてNO_2^nとして測定した。【結果】LPSを添加した培養液10μl中のNO_2^n量は、0%イソフルラン群では320.1±25.8(平均±標準偏差)pmol、1%イソフルランおよび5%イソフルラン群では271.4±35.7pmolおよび102.4±39.1pmolで、0%群にくらべ両群共に有意(p<0.001)に産生が抑制された。さらに5%群では1%%群にくらべ有意(p<0.001)に抑制された。一方、LPS非添加培養液10μl中のNO_2^-量は、各群共に5pmol以下だった。【結論】今回の結果から吸入麻酔薬のイソフルランは、LPS刺激によりマウス腹腔マクロファージ産生されるNOを、用量依存性に抑制することが判明した。
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