2000 Fiscal Year Annual Research Report
ラット海馬スライスにおける脳虚血に対する低体温および全身麻酔薬の保護効果
Project/Area Number |
11671485
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
廣田 弘毅 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (30218854)
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Keywords | ラット / 海馬 / 脳虚血 / 低体温 / 全身麻酔薬 / 脳保護 |
Research Abstract |
目的:臨床的に,低酸素脳症に対する全身麻酔薬の保護効果が示唆されているが,その作用機序は明らかにする目的で脳スライス標本を用いた検討を行った. 方法:ウィスター系雄性ラット(100-200g)を麻酔後断頭して海馬を摘出し,海馬スライス(400 μm)を作成した.スライスは脳チェンバー内のliquid/gasinterface上に置き(37℃),人工脳脊髄液(ACSF)および95%O_2/5%CO_2混合ガスを灌流した(pH=7.4).Schaffer collateral fiberに刺激電極を置き,CAl領域にガラス管微小電極を刺入した.微小電極用増幅器を用いてCAl錐体細胞の集合電位(PS)を記録した(0.1 Hz).二連刺激(40 ms)によりPSの促通反応(PPF)を誘発し,低酸素の影響を検討した.95%O_2/5%CO_2と95%N_2/5%CO_2を混合することによりCO_2濃度を一定に保ったまま低酸素負荷(hypoxic hypoxia)した.またthiopental(0.2mM)を低酸素負荷以前に投与し,全身麻酔薬の保護効果を検討した. 結果:180秒間の低酸素(10%O_2)曝露によりPSの振幅は抑制され,PPFは著明に増大した.上記の低酸素負荷による影響は,酸素濃度を95%に戻すことにより回復傾向を示したが,PPFの増大効果は持続した.一方,thiopental投与群では低酸素負荷中・後のPPFの増大が抑制された. 考察:低酸素負荷中・後に認められたPPFの増大は,(a)NMDAレセプタなどの促進性シナプス伝達の亢進,あるいは(b)GABAレセプタなどの抑制性シナプス伝達の抑制によると考えられるが,thiopentalはこれを抑制する. 今後の展望:他の全身麻酔薬,低体温の効果などを検討し,脳保護作用のメカニズムを明らかにする.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K Hirota,SH Roth,R Sasaki,A Masuda,Y Ito: "Intravenous anesthetics produce use-dependent changes of paired-pulse facilitation in rat in vitro hippocampal preparations"Progress in Anesthetic Mechanisms. 6. 56-62 (2000)
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[Publications] R Sasaki,K Hirota,SH Roth,A Masuda,Y Ito: "Changes in extracellular magnesium concentration modulate the actions of volatile anesthetics in rat in vitro hippocampal preparations"Progress in Anesthetic Mechanisms. 6. 428-433 (2000)