2000 Fiscal Year Annual Research Report
突然変異導入によるアドレナージック受容体の立体構造の解明
Project/Area Number |
11671494
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 行雄 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (60294063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉矢 生人 大阪大学, 医学部・附属病院, 教授 (80028505)
上林 卓彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10273640)
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Keywords | アドレナージック受容体 / 変異受容体 / 立体構造 |
Research Abstract |
アドレナージック受容体蛋白(AR)は7つの細胞膜貫通構造(trans-membrane domain;TMD)を持つ。α2ARサブタイプの7番目のTMDの細胞膜側の構造には種族に関わらずフェニルアラニン(Phe)が存在し、βARの相同部分にはアスパルギン(Asn)が存在する。βARのその部分のAsnをPheに置換すると蛋白は正常に細胞膜上に発現されない。ところが、その変異蛋白の1番目、2番目のTMDをαARのものと置換すると再びその蛋白は正常に細胞膜上に発現されるようになる。(この変異受容体を便宜上CRS11と呼ぶことにする。)従って7番目のTMD上のPhe(Phe-7と略す)は1番目、及び2番目のTMDと干渉していると考えられる。1番目、及び2番目のTMD上のどのアミノ酸がPhe-7と干渉しているかを突き止めれば、1番目、2番目及び7番目のTMDの空間的な位置関係が明らかになる。 平成11年度に1番目のTMD上の構造でPhe-7と干渉する部分を明らかにするため、CRS11の1番目のTMDのアミノ酸のうち、1番目から37番目までをβARのアミノ酸構造と入れ替えた変異蛋白(CRK1と名付ける)及び1番目から40番目を入れ替えたもの(CRK2)のcDNAを作成した。CRK1は正常に細胞膜上に発現したが、CRK2は細胞膜上に発現されなかった。この結果からPhe-7の干渉するアミノ酸の候補を3つ(38,39,および40番目のアミノ酸)に絞ることができた。昨年度は1番目から39番目までをβARのアミノ酸構造に入れ替えたものが細胞膜上に発現されないことをしめし、Phe-7と干渉するアミノ酸は40番目のアミノ酸であることが明らかにした。今後この方法論を2番目のTMDに応用し、ARの立体構造をより正確に知るための一助とする予定である。
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