1999 Fiscal Year Annual Research Report
グラム陽性球菌によって生じる敗血症性ショック時の細胞内情報伝達の解明
Project/Area Number |
11671503
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
小倉 真治 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (30185566)
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Keywords | Tyrosine / Shock / Seplic Shock / LPS |
Research Abstract |
lipopolysaccharide(LPS)が賦活する細胞内情報を伝達する物質として最も重要なtyrosine kinaseの阻害が敗血症性ショックの進展を防ぐと考え、tyrosine kinase inhibitorであるtyrphostin AG-556(TYR)のラットのショックに対する効果を検討した。(方法)実験1:全ての実験はエーテル麻酔下で行なわれた。200-250gのviral antibody freeのLong Evans ratを用いた。実験群は、1)mediaのみ、2)media+TYR(5mg/kg)、3)LPS(12mg/kg)のみ、4)LPS+TYRであった。LPS及びTYRは同時に投与し、生存時間及び、生存率について48時間観察した。実験2:TYRを前投与し、その2時間後にLPSを静注した。LPS投与後4時間後にラットの下大静脈より採血し、血清を分離し、プロスタサイクリンの最終代謝産物である6-keto PGF_<1α>および、TNF_αをそれぞれ、RIAとbio assayで測定した。(結果)control群は48時間以上生存した。生存時間がLPS群の6±1時間から、TYR投与で13±1時間に有意に延長した。実験2:6-keto PGF_<1α>はLPS投与でcontrolの58±58(pg/ml)から15196±3589(pg/ml)に賦活されたが、TYR投与で、3373±697(pg/ml)に低下した。TNF_αも測定限界以下から167±64(pg/ml)に賦活されたがTYR投与で、測定限界以下に低下した。(結論)TYRはendotoxin shockの生存時間を著明に延長し、その作用機序にショック時のメディエータ産生の抑制が強く示唆された。
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Research Products
(1 results)