1999 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性神経障害時に活性化されるプロテインカイネースCサブタイプの同定とその制御
Project/Area Number |
11671508
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
轟木 幸子 長崎大学, 医学部, 助手 (50039541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諸岡 浩明 長崎大学, 医学部・附属病院, 講師 (70230175)
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Keywords | 虚血性神経障害 / プロテインカイネースC(PKC) / PKCサブタイプ / ラット副腎髄質由来細胞 / 転写調節因子 |
Research Abstract |
プロテインカイネースC(PKC)は細胞内シグナル伝達機構における重要な燐酸化酵素で、虚血により活性化さることがわかっており、虚血性神経細胞障害に関与している可能性が大きい。まず初年度は、細胞傷害性とPKCアイソザイム活性について調べた 方法)ラット副腎髄質由来PC12細胞に、シアン化カリウム0.1mMあるいは1mM,2mMを負荷し低酸素状態を作成して細胞障害を、3-(4,5-dimethyl-thiazole-2-yl)-2,5-diphenyl tetrolium bromide(MTT)アッセイ法で測定した。PKC活性(α,β,ε,ζ)は細胞を核と細胞質とに分けウエスタンブロット法にて定量。細胞を4℃,40000gで40分間遠心分離機で核と細胞質に分離する。それぞれ10μgの蛋白量を7.5%アクリルアミドゲルで電気泳動を行う。泳動したゲルをニトロセルロース膜に転写しPKC抗体(α,β,ε,ζ)と一晩反応させる。次に2次抗体を作用させ洗浄後蛍光法でX線フィルムに露光させ現像後デンシトメーターを用いて目的のバンドを比較する。 結果)シアン化カリウム0.1mMあるいは1mM,2mMで濃度依存的に細胞障害性は増加し,2mMでの生存率は対照の約20%まで低下した。PKCアイソザイムの細胞内動態と活性については現在検討している。 今後実験を追加し、脳に広く存在が認められるPKCアイソザイムのカルシウム依存性cPKC(α、β)とカルシウム非依存症nPKC(ε),aPKC(ζ)の細胞内動態と蛋白発現を調べ、低酸素がPKCのサブタイプに及ぼす活性調節、また転写調節因子(NF-κB,AP-1)DNA結合活性により蛋白質のリン酸化がどの程度関わっているかを明らかにし、さらにそれを阻害する薬剤で制御できるかを検討する。
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