1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11671510
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
笠羽 敏治 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (80145599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼塚 信 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (20264393)
成尾 浩明 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (10274797)
濱川 俊朗 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (50253836)
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Keywords | Lymnaea stagnalils / 呼吸 / 吸入麻酔薬 / セボフルラン / シナプス |
Research Abstract |
淡水棲かたつむりLymnaea stagnalisを用い、呼吸のリズムをつかさどるCentral Pattern Generator(CPG)のなかの、RPeD1とVD4の神経細胞を用い、細胞体で形成されたしナプスを形成し、このシナプスに対するセボフルレンの作用を調べた。 方法:清潔操作のもとで脳をLymnaeaより取り出す。抗生物質を含んだ生理食塩液によってこれらの脳を洗浄した後、適切な酵素処理を行う。酵素処理した脳から呼吸のCPGの中からRPeD1とVD4を同定する。そのニューロンをガラスペピットにて吸引分離し、接着物質にてコーティングされ、培養液に満たされた培養皿に置いた。適切な条件下では2つの神経細胞間でシナプスを形成する。両神経細胞を同時に細胞内記録し、標本に異なる濃度の吸入麻酔薬(セボフルラン1%、2%、3%、4%)をバブルした生理食塩液を還流させた。 結果:RPeD1とVD4で抑制性シナプスが形成され、RPeD1の興奮で、VD4に抑制性シナプス後電位が引き起こされた。この抑制性シナプス後電位は、セボフルランの濃度依存性に抑制され、セボフルラン2%で30%に、セボフルラン3%で消失した。刺激により誘発されたRPeD1とVD4の活動電位は、4%セボフルレンでブロックされた。膜電位は、発射域値以下に過分極した。これらの変化は、生理食塩液の還流でコントロールにもどった。 セボフルランのシナプス後に対する作用を分けて調べるため、抑制作用を示すドーパミン受容体をもつVD4に、ドーパミンを作用させて、膜電位の抑制だけでなく、カリウムイオンに対する影響も調査中である。 今回、購入した実体顕微鏡とマニピュレータは、CPGの細胞の同定と、細胞内同時記録をとるために有効に用いられている。
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