2000 Fiscal Year Annual Research Report
多臓器不全の病態解明をめざした動物モデルの構築とその評価
Project/Area Number |
11671526
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
小池 薫 日本医科大学, 医学部, 講師 (10267164)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 保博 日本医科大学, 医学部, 教授 (70125079)
|
Keywords | 腸管 / 虚血 / 再潅流障害 |
Research Abstract |
外傷・ショックの際に発生する腸管虚血は、外傷・ショックに続発する多臓器不全の発生に重要な役割を果たしていると考えられている。小腸虚血・再灌流(Ischemia-Reperfusion,I/R)が遠隔臓器障害を発生する動物モデルは、ラットでは確立されているが、マウスでは存在しない。マウスは免疫機能がヒトに近く、ノックアウトマウスやトランスジェニックマウスの種類も豊富であるため、マウスにおける小腸虚血・再灌流モデルが作成できれば、多臓器不全の発生機序の解明に役立つことが期待される。我々はマウスにおける小腸虚血・再灌流モデルの作製に成功した。 [方法] ALB/cマウスの上腸間膜動脈を45分間血行遮断し、再潅流2、6時間後の肺・肝・小腸障害を、Evans-Blue(EB)法、組織乾・湿重量比(W/D)、血中GPT・T-Bilにて計測した。 [結果] 小腸障害:I/R群では、EB法により2時間後、6時間後に、W/D法では2時間後にだけ小腸障害を認めた。肺障害:I/R群では、EB法により2時間後、6時間後に肺障害を認めたが、W/D法では肺障害を確認できなかった。肝障害:I/R群では、EB法により2時間後、6時間後に、W/D法でも2時間後、6時間後に肝障害を認めた。I/B群は、再潅流2時間後にT-Bilの上昇を認めたが、GOTは2時間後も6時間後も変化しなかった。 今後このモデルが、外傷・ショックに続発する多臓器不全の発生メカニズムの解明に役立つことが期待される。
|