2000 Fiscal Year Annual Research Report
急性期肝類洞循環における一酸化炭素と一酸化窒素の効果の解明とその制御の研究
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11671528
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
貝沼 関志 藤田保健衛生大学, 医学部・麻酔科, 助教授 (90135335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 聰行 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40093075)
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Keywords | 肝静脈血酸素飽和度 / 一酸化炭素 / GST-α / 一酸化窒素 / 肝外傷 / 肝類洞 / エンドトキシン / ケトン体比 |
Research Abstract |
周術期の患者において肝類洞の一酸化炭素を測定し、この結果について第11回ヨーロッパ肝臓集中治療医学会において講演した。本年度は特に肝疾患を伴った救急急患者について、特に外傷救急で手術になった症例を中心に症例を選択した。肝静脈血酸素飽和度、ケトン体比、GST-α、一酸化炭素の測定について本人または家族からinformed consentを得た後、肝静脈カテーテルを挿入するかまたはGST-αの測定をおこなった。16症例にて、肝静脈血酸素飽和度とGST-αの関係をしらべた。GST-αの結果は853ng/mlから4.9ng/mlにおよび周術期よりも大きな変動があった。しかしY=0.15IX^2-10X+854でR^2は0.18で有意であり、救急肝疾患患者においても周術期患者と同様に、肝静脈血酸素飽和度が低くなるとGST-αが高くなる傾向があった。手術の時点の損傷臓器、炎症の程度により、GST-αの値は予定手術患者よりも大きなばらつきが生ずると考ええられた。そこで救急肝疾患患者について、その画像診断上の相違、治療手技と肝疾患との関連から理解を深めるため救急集中治療に関する各種書籍の購入を行った。第28回救急医学会において、おおよその結果を報告し討論した。肝静脈血酸素飽和度とGST-αの関係は前年度の周術期と同様弱い相関があった。救急肝疾患患者での一酸化炭素を肝静脈で測定した結果では肝静脈でのO_2HbとCOHbの関係はY=0.03X^2-0.07X+4、R^2=0.007で有意の関係はなかった。Co-oximeterで測ったO_2HbとCOHbの関係はY=0.008X^2+0.011X-0.5、R^2=0.008で有意の関係は無かった。ここから救急肝疾患患者においても周術期患者と同様、肝静脈血酸素飽和度と一酸化炭素の関係には相関がえられず、これには手術の時点の損傷臓器、炎症の程度によるばらつきと考えられた。また頭部外傷に合併した肝損傷患者についても調べ、第28回日本集中治療医学会で発表した。これまでの各種学会での討論のなかで一酸化炭素が肝類洞の白血球粘着能に関係している可能性が示唆された。また炎症時のNOの関与についてもエンドトキシンショックとの関連で関与が示唆された。この点から白血球接着や凝固能と一酸化炭素との関連について課題が生まれた。この課題を達成するため肝静脈血酸素飽和度の早い変化を捉えることと統計的解析のためのソフトに対応するためコンピューターの購入をおこなった。
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Research Products
(2 results)