2000 Fiscal Year Annual Research Report
内因性NOS阻害物質の陰茎勃起における意義と勃起不全治療への応用
Project/Area Number |
11671538
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
辻井 俊彦 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (90217307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 洋 東京医科歯科大学, 生体工学研究所・分子設計部門, 助教授 (20134736)
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Keywords | 勃起障害 / 高血糖 / 陰茎海綿体 / 内因性NOS阻害物質 / nitric oxide / cyclic GMP / NOS / guanylate cyclase |
Research Abstract |
ウサギ高血糖モデルを用いて,高血糖による陰茎海綿体における内因性NOS阻害物質の組織内濃度,NO-cGMP系酵素活性,cGMP産生,収縮弛緩反応の変化を薬理学的に検討した. 高血糖モデルの作成:生後8週のオスウサギにalloxanを単回投与して高血糖が確認されたウサギを高血糖群とした.16週間飼育した後屠殺して陰茎海綿体標本を作成した. 内因性NOS阻害物質:L-NMMAおよびADMAの組織内濃度をHPLCで測定したが,2群間で差がなかった. cGMP産生:carbachol,nitroprusside刺激によるcGMP産生量をRIAにより測定した.高血糖群ではcGWPの産生量が低下していた. NO synthase(NOS)活性:3H-arginineから3H-citrullineへの変換により測定した.2群間で差を認めなかった. guanylate cyclase(GC)活性:GTPからcGMPへの変換をRIAにより測定した.2群間で差を認めなかった. 収縮弛緩反応:マグヌス装置により張力の変化を測定した.高血糖群ではnoradrenalineに対する収縮反応,経壁電気刺激による収縮反応ともに低下していた.一方,carbachol, nitroprussideに対する弛緩反応,経壁電気刺激による弛緩反応は2群間で差を認めなかった. 結論:これらの結果から,高血糖による勃起障害には陰茎海綿体のNOのbioaveilabilityが低下している可能性が示されたが,内因性NOS阻害物質の関与は明らかではなかった.
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