1999 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌細胞におけるステロイド代謝及びそのレセプター間のクロストークに関する研究
Project/Area Number |
11671542
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高 栄哲 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (90283134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
並木 幹夫 金沢大学, 医学部, 教授 (70155985)
越田 潔 金沢大学, 医学部・附属病院, 講師 (70186667)
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Keywords | 前立腺癌 / 副腎性ステロイド / グルクロン酸抱合 / 硫酸抱合 / コアクチベター |
Research Abstract |
前立腺癌細胞株(LNCap,PC-3,DU145)を用いたステロイド代謝について、放射性同位元素ステロイド基質にした、薄層クロマトグラフィーによるステロイド代謝を検討した結果、副腎ホルモン性ソテロイドが、とりわけDHEAがステロイドプールとして大きく関与していることを明らかにした。アンドロゲン依存性前立腺癌株においてアンドロステジオンからDHEAにいたる経路が優位に代謝しており、非依存性癌ではその逆の代謝を認めた。これらの現象の一部はステロイド代謝系におけるグルクロン酸抱合や硫酸抱合がホルモン依存性に関与している可能性を示唆し、その代謝酵素であるglucurosyltransferaseの発現の相違について明らかにし、その関与の可能性を示唆した。これらの現象を分子生物学的に検討するために、前立腺癌細胞株LNCapにおいてglucurosyltransferaseは強く発現し、PC-3,DU145において発現が少ないことから、LNCapにおいてはanti-sense oligomerやアンチセンスDNA導入によって、また、PC-3,DU145においては発現ベクターを作製し、それを導入し前立腺癌細胞の増殖やステロイド代謝について検討したが、現在のところ有意な差をみとめていない、今後導入効率を上昇させ検討予定である。 このようなin vitro系の結果を踏まえ、前立腺癌および前立腺肥大症の手術摘出標本におけるステロイド代謝について検討中である。特に、現在前立腺癌に汎用されている、様々なステロイド剤で前治療されたステロイド代謝について検討している。また、現在、確定しているコアクチベーターp300、SRC-1,TIF2について、前立腺切片にてRT-PCR発現の確認中である。
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Research Products
(1 results)