1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11671547
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大田原 佳久 浜松医科大学, 医学部, 助手 (80124717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
影山 慎二 浜松医科大学, 医学部, 助手 (60224367)
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Keywords | 尿路結石 / MDCK細胞 / ショウ酸結石 / カルシウムイオン / オステオポンチン / UTI |
Research Abstract |
1.シュウ酸結石の作成:MDCK細胞における微小結石の形成はリン酸カルシウム結石であることから、ヒト腎結石のモデルとしてのシュウ酸結石の形成を試みた。培養細胞MDCK細胞の培地にシュウ酸を各種濃度のにして加え、産生された結石の分析を行ったが、シュウ酸結石の産生は確認されなかった。さらにシュウ酸の前駆物質であるアスコルビン酸、エチレングリコール、でも同様にシュウ酸結石の産生には至らなかった。なお、現在、シュウ酸の微小結晶を細胞表面と基底側に加え、その産生状態を観察中である。さらに、株化されたMDCK細胞をさらにクローニングし、その結石産生の多い株と結石産生の無いものについて、の遺伝子情報の差について検討を行っているところである。 2.ラット腎細胞および正常ヒト腎細胞とMDCK細胞の比較検討:ラット腎細胞およびヒト腎細胞の遠位尿細管と思われる部分の初代培養を行い、MDCKと同様に長期に培養を行ったが、これらの細胞にMDCK細胞のような微小結石の産生はみられなかった。またこれらの細胞の細胞内外のカルシウムイオンの動態を観察したが、MDCK細胞にに比較し、カルシウムイオンの細胞頂部から基底部への移動は少ない傾向がにられ、結石を形成するMDCK細胞に特有のカルシウムイオン動態があることが確認された。 3.結石形成の因子の解明と結石抑制因子の検討:結石凝集因子として知られているosteoponntin(OPN)に対してその凝集抑制物質と考えられているurinary trypsin inhibtor(UTI)のそれぞれを、ヒト結石患者の尿中より定量化した。その結果尿中OPN量は健常者に比較し、結石患者尿で増加しており、UTIは結石患者で低下している傾向がみたれた。これをもとにUTIが、MDCK培養細胞が形成する結石を抑制するかどうかを培養細胞で検討中である。
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[Publications] 影山慎二: "MDCK細胞におけるBibphosphonateにおけるVit.Kの影響について"日本腎臓学会. 41.3. 360 (1999)
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[Publications] 大田原佳久: "腎細胞のカルシウム反応"第8回メディカルフォトニクスコーステキスト. 8. 178-190 (1999)
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[Publications] 影山慎二: "結石保有患者における尿中osteopontinとUTIの検討"第9回日本尿路結石症研究会記録集. 9(予定). (1999)