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2000 Fiscal Year Annual Research Report

中枢神経障害ラットの排尿障害からの回復に寄与する中枢神経細胞の分子生物学的研究

Research Project

Project/Area Number 11671564
Research InstitutionUniversity of the Ryukyus

Principal Investigator

菅谷 公男  琉球大学, 医学部・附属病院, 講師 (20179120)

Keywords中枢神経障害 / 排尿障害 / 脳梗塞 / 脊髄損傷 / グルタミン酸 / グリシン / SHMT / AGT
Research Abstract

これまでの本研究では、脳梗塞ラットや脊髄損傷ラットにおいて興奮性伝達物質のグルタミン酸や抑制性伝達物質のグリシンの脳脊髄内各部位での増減は障害とその後の機能回復に一致していた。特に、脊髄損傷ラットでは損傷直後に損傷部位以下の脊髄中グリシンが増加し、弛緩性麻痺及び尿閉となったが、慢性期には損傷部位以下の脊髄中グリシンが低下して痙性麻痺及び頻尿となった。この脊髄中のグリシン濃度の変化は血清中グリシン濃度にも反映されていた。しかし、脳梗塞ラットの脳脊髄内アミノ酸濃度の変化は血清中アミノ酸濃度に反映されなかった。前立腺肥大症のモデルとしての尿道部分閉塞ラットや糖尿病ラットでも脊髄内グリシン濃度が低下する傾向があったが、血清グリシン濃度に変化はなかった。したがって、血清グリシン濃度を測定することにより、脊髄障害の有無を推察可能と考えられた。次に、脊髄中でのグリシン産生状況をグリシン産生に関わる酵素のメッセンジャーRNA(mRNA)の発現程度から検討した。グリシンはグリオキシル酸からアラニングリオキシル酸アミノトランスフェラーゼ(AGT)を介して産生される経路とセリンからセリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼ(SHMT)を介して産生される経路があるが、中枢神経系内でのグリシン産生は主にSHMTを介した経路で、脊髄にSHMTm RNAの発現が多かった。脊髄損傷後は損傷部位以下の脊髄内のSHMTmRNAの発現が低下していた。肝ではAGTを介してグリシンが産生されるが、AGTmRNAの肝での発現は脊髄損傷後にも変化がなかった。したがって、脊髄損傷後の血清中グリシンの増減は脊髄中のグリシン産生量に依存していることが考えられた。

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Published: 2002-04-03   Modified: 2016-04-21  

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