2000 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺間質細胞の増殖とtransformation調節機構の研究-前立腺肥大症、特に平滑筋細胞増殖に関する基礎的検討-
Project/Area Number |
11671566
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
国島 康晴 札幌医科大学, 医学部, 助手 (00315508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 聡 札幌医科大学, 医学部, 助手
伊藤 直樹 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (60193504)
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Keywords | 前立腺 / 前立腺肥大症 / 平滑筋 / Myofibroblast / TGF-beta |
Research Abstract |
根治的前立腺摘除術あるいは根治的膀胱摘除樹から得られた前立腺組織を用いて、前立腺間質細胞培養系はすでに確立しており、免疫組織化学的にalpha-actin陽性、myosin陰性、desmin陰性であることから、この培養細胞がmyofibroblastであることは確認されている。このmyofibroblastを用いて、以下の検討を行った。 ヒトTGF-beta 1,2,3を培養液中に加えると、myosinおよびdesmin陽性細胞が出現することが免疫組織化学的に認められた。この結果から、TGF-beta 1,2,3はmyofibroblastをsmooth muscleへと分化させる作用を有することが推測された。一方、TGF-beta 1,2,3のmyofibroblast増殖に関する影響をBrdUを用いて検討すると、TGF-beta 1,2,3は増殖を抑制することが認められた。 なお、培養myofibroblastからRNAを抽出し、TGF-beta receptor I and II,TGF-beta1,2,3自体の発現をRT-PCR法により検討すると、すべての発現が認められたことから、培養myofibroblastはTGF-beta receptorを有し、内因性TGF-betaを産生している可能性が示唆された。蛋白レベルではELISA法にてTGF-beta 1の産生が確認された。 以上から、培養ヒト前立腺由来myofibroblastに対するTGF-betaの作用が明らかとなった。今後、性ホルモンの影響、alpha 1 receptor発現への影響を検討し、前立腺肥大症発症病理の解明を行う予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 国島康晴 他: "淋菌"化学療法の領域. 16. 74-80 (2000)
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[Publications] Itoh N, et al.: "Have sperm counts deteriorated over the past 20 years in healthy young Japanese men?-Results from the Sapporo area-. "Journal of Andrology. 22. 40-44 (2001)
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[Publications] Itoh N, et al.: "Risk factors for the development of bladder cancer after upper tract urothelial cancer."Urology. 55. 663-667 (2000)
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[Publications] Itoh N, et al.: "Treatment of Benign Prostatic Hyperplasia (Recent Advances in Endo-urology)"Springer. 10 (2000)
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[Publications] 伊藤直樹: "先端医療シリーズ7・泌尿器科 泌尿器科 診断と治療の最前線"先端医療技術研究所. 1 (2000)