2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト前立腺癌の再燃におけるステロイドホルモン・オーファンレセプターの機能解析
Project/Area Number |
11671568
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
上村 博司 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (50244439)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
穂坂 正彦 横浜市立大学, 医学部, 教授 (30106330)
窪田 吉信 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (10106312)
|
Keywords | ヒト前立腺癌 / ルシフェラーゼ / ステロイドホルモン・オーファンレセプター |
Research Abstract |
#1ヒト前立腺癌細胞バイオアッセイ系(in vitro系) ヒト前立腺癌細胞でアンドロゲンレセプターを持つLNCaPと、それを持っていないPC-3細胞を用いて実験を行った。まず、TR3 receptorの結合配列をもつオリゴヌクレオチド(NBRE)をルシフェラーゼレポータープラスミドに組み込んだベクターを構築した(NBRE-Luc)。次に、このベクターとTR3 receptorあるいはCOUP-TFIの発現ベクターを前立腺癌細胞に遺伝子導入しルシフェラーゼ活性を測定した。さらに、NBREのオリゴマーをプローブとしてゲルシフトアッセイを行い、TR3 receptorあるいはCOUP-TFIがNBREに結合するかどうか確認した。 結果(1)NBRE-Lucを用いたルシフェラーゼ活性は、COUP-TFIあるいはTR3 receptorを遺伝子導入した場合、両者とも活性の上昇を認め、それぞれがNBREに結合することが予想された。さらに、ゲルシフトアッセイを行うと、COUP-TFIあるいはTR3 receptorそれぞれともにNBREに結合するシフトバンドが認められた。これらの結果より、COUP-TFIはTR3 receptorのtarget genes発現に関与することが予想された。 #2ヒト前立腺癌組織でのCOUP-TFIの発現の確認 前立腺全摘術などで得られた、前立腺癌組織からTotal RNAを抽出し、TR3 receptorあるいはCOUP-TFIの発現をRT-PCRで測定した。また、同時にProstate specific antigen:(PSA)の発現もRT-PCRでみて、TR3 receptorあるいはCOUP-TFIとの発現の相関を検討した。 結果(1)前立腺癌組織において、COUP-TFIの発現とPSA発現に逆相関がみられた。同様に、TR3 receptorとPSAの発現も逆相関のパターンを示した。これらの事象は、COUP-TFIあるいはTR3 receptorの発現がPSA発現を抑制することを示す。前立腺癌において、組織異型度が進むほどPSAの発現が少ない傾向があり、従ってCOUP-TFIやTR3 receptorが前立腺癌の組織異型に関与している可能性が推察された。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 上村博司 ほか: "前立腺癌とテロメラーゼ活性"日本臨牀. 増刊. 427-429 (2000)
-
[Publications] Miyoshi Y,Uemura H, et al: "Fluorescence in situ hymidization evaluation of c-myc and androgen receptorgene anplification and chromosomal animales"Prostate. 43(3). 225-232 (2000)