2001 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺上皮細胞のアンドロゲン依存性の細胞増殖とアポトーシスの分子機構に関する研究
Project/Area Number |
11671573
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
岸本 武利 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00047078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉村 一誠 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90187659)
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Keywords | 前立腺 / MAPK / P44 / 42 / ノルエピネフリン |
Research Abstract |
目的 Mitogen-activated protein kinases(MAPK)は細胞増殖や分化に重要な役割を担っており、血管平滑筋細胞ではα1アドレナリン刺激がp44/42(Erk1/2)を介して細胞増殖に働くことが知られている。BPHにおいてα1受容体阻害薬がアポトーシスを誘導するという報告が見られるが、α1刺激が前立腺細胞の増殖に関与するかについては検討されていない。今回、前立腺上皮と非上皮細胞においてノルエピネフリン(NE)のMAPK活性化について検討した。 方法 ヒト前立腺上皮細胞、間質細胞および平滑筋細胞はBio Whittakerより購入した。コンフルエントに達した細胞を無血清RPMI-1640で1日培養した後、NE(10-7または10-6M)を添加、5ないし10分後に細胞を収集した。細胞溶解液のウエスタンブロットを抗p44/42抗体および抗リン酸化p44/42抗体を用いて行い、リン酸化p44/42の比を求めた。また、他のMAPK(JNKとp38)についても同様の実験を行った。 結果および考察 間質細胞および平滑筋細胞では、NE添加によりリン酸化p44/42は有意に増加したが、上皮細胞では変化を認めなかった。また、JNKとP38は活性化されなかった。これらの結果より、NE刺激がp44/42の活性化を介して前立腺の非上皮細胞の増殖を促す可能性が考えられる。
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