2000 Fiscal Year Annual Research Report
抗癌遺伝子リボザイムとp53同時発現アデノウイルスベクターの抗腫瘍効果の検討
Project/Area Number |
11671580
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
入江 啓 北里大学, 医学部, 助手 (50193694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
頴川 晋 北里大学, 医学部, 講師 (60160347)
岩村 正嗣 北里大学, 医学部, 講師 (20176564)
内田 豊昭 北里大学, 医学部, 講師 (70146489)
宋 成浩 北里大学, 医学部, 助手 (30206669)
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Keywords | 悪性新生物 / 遺伝子治療 / アデノウイルス / 癌遺伝子 / 腫瘍抑制遺伝子 / リボザイム |
Research Abstract |
抗癌遺伝子リボザイム(抗Hras,および抗erbB2リボザイム)発現ベクター,p53発現ベクター,およびこれらを同時(抗Hrasリボザイム+p53,抗erbB2リボザイム+p53)に発現するベクターを作成,精製した.今年度は,作製したウイルスベクターの4種のヒト膀胱腫瘍細胞株(EJ,T24,HT-1376,UMC-3)および乳癌細胞MCF-7に対する感染効率および抗腫瘍効果を検討した.感染効率を検討する際,これら腫瘍細胞のアデノウイルスに対する受容体CAR(Coxsackie-Adenouvirus Receptor)の発現に関してもRT-PCRにより検討した.その結果,いずれの膀胱癌細胞もCARを発現していることが確認された.また,beta-galactosidaseを発現するアデノウイルスベクターを培養細胞に感染させて,in vitroでの感染効率を検府した.これらより得られた結果をもとに,各腫瘍細胞に対するウイルスベクターの力価を標準化し,腫瘍細胞の増殖抑制効果を検討した.それぞれの治療的遺伝子を単独で使用したときに,腫瘍増殖抑制効果が容量依存的に認められることが確認できた.また,複数のウイルスベクターの併用あるいは同時発現ベクターの投与により,腫瘍抑制効果が増強することが確認できた.またp53発現アデノウイルスによる,アポトーシスの誘導についても検討が終了した.今後は,複数の遺伝子の同時発現ウイルス投与による,標的遺伝子および腫瘍増殖関連遺伝子(アポトーシス因子,血管新生因子など)の解析を進め,in vivoでの検討に移行していく予定である.
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[Publications] Toshiya Suzuki: "Adenovirus-mediated ribozyme targeting of HER-2/neu inhibits in Vivo growth of breast cancer cells"Gene Ther.. 7(2). 241-248 (2000)
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[Publications] Akira Irie: "Hammerhead ribozymes as therapeutic agents for bladder cancer"Molecular Urol. 4(2). 61-66 (2000)