2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト豚間の異種移植における遅延型拒絶及び細胞性免疫反応に関する研究
Project/Area Number |
11671588
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
白木 良一 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (70226330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 ひと美 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (00319261)
星長 清隆 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (30229174)
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Keywords | 異種移植 / 臓器移植 / 移植免疫 / 慢性拒絶反応 / 拒絶反応 |
Research Abstract |
humanized SCIDマウスを確立し、マウス内でヒト免疫環境を再現する事に成功した。hu-PBL-SCIDマウスはヒト免疫グロブリンを産生し、その血流中にヒトTリンパ球の存在をPCR法にて認めた。豚腸間膜動脈片のSCIDマウス大動脈への直接bypass術を施行した。これにより豚血管内皮細胞に対するヒト免疫グロブリンおよびリンパ球の直接的な変化が観察された。移植血管壁にはヒト免疫グロブリン(自然抗体)のうち、hu-IgMの沈着が主に認められた。これはin vivoおよびPAEC(豚大動脈血管内皮細胞)におけるin vitro吸着実験と同様であった。 この反応を免疫吸着でblockする事により、豚血管内皮細胞へのヒトリンパ球の吸着像を免疫組織法にて認めた。これらの細胞は主に、ヒトCD3&CD4陽性細胞であった。検体の還流時間と病理所見の解析より各免疫拒絶反応が最も顕著となるoptimal timeを決定し、モデルとして確立することを目標としたが、これらの細胞はある程度の時間経過を追ってもグラフト血管内皮への浸潤像は病理学的に示さなかった。また、これらDXR(遅延型異種移植拒絶反応)および細胞性免疫反応に関わるヒト免疫担当細胞の詳細な解析を試みたが、細胞のrecoverによるcell lineの作製は不能であった。 共同研究者の佐々木が異種移植において、ヒトNK細胞が同種移植とは異なった様式にてグラフトのHLA-G & E geneの非発現を認識し移植片拒絶に関与する事をin vitroにて証明した(Transplantation 67;31-37,1999)。humanized SCIDマウスを用いin vivoでのヒトNK細胞の異種移植拒絶に対する影響を検討したが、豚血管グラフトにヒトHLA-G & Eをtransfectした後に移植しても明らかな異種移植片拒絶反応の抑制効果は認められなかった。これらの結果の一部を泌尿器科紀要に投稿し受理されたが掲載は未定である(別紙)。
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Research Products
(1 results)