2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11671592
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
児玉 英也 秋田大学, 医療技術短期大学部, 教授 (30195747)
|
Keywords | 精子 / 精巣 / アポトーシス / 抗酸化剤 / 停留精巣 / キサンチン・オキシダーゼ / 胚 / Fas |
Research Abstract |
我々はこれまでラットの停留精巣モデルにおいて、活性酸素によるDNAの酸化的損傷が精子の熱ストレス誘発アポトーシスのメディエーターであることを明かにしてきた。また,初期胚の発生の制御機構として、アポトーシスのメカニズムが近年注目されていることから、ヒトとラットの初期胚においてアポトーシスのシグナルであるFasおよびFas ligandの遺伝子発現の検討を行った。以下の実験結果から、胚発生に及ぼす影響を及ぼすと考えられる精子のDNA損傷のメカニズムおよび初期胚発生の制御機構の一端が解明された。 (1)xanthine oxidaseの特異的阻害剤であるBOF-4271をラットの停留精巣モデルに投与すると,昨年度研究を行ったalloprinolの作用と同様にアポトーシスは抑制された。 (2)停留精巣では対象に比してhypoxanthine、xanthine、およびuric acidの含量が3-7倍に増加していた。 (3)FasのmRNAはラットでは2細胞期胚に、ヒトでは4細胞期胚に発現していた。 (4)Fas ligandのmRNAはラットでは未受精卵、1および2細胞期胚に、ヒトでは2、4細胞期胚に発現していた。 以上から、精巣内における活性酸素の産生機構にxanthin-xanthine oxidase系が重要な役割を担っていることが明らかとなった。また、ヒトとラットの初期胚ではそれぞれ2細胞期胚、4細胞期胚においてFasおよびFas ligandの遺伝子が同時に発現しており、アポトーシスのシグナルとなっている可能性が示された。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Kumagai J,Fukuda J,Kodama H,Murata M,Kawamura K,Ito H,Tanaka T: "Germ cell specific heat shock protein 105 binds to p53 in a temperature-sensitive manner in rat testis."Eur J Biochem. 267・10. 3073-3078 (2000)