1999 Fiscal Year Annual Research Report
胎児新生時期の中枢神経系の形態形成における細胞接着分子群の相互関係の解析
Project/Area Number |
11671598
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
亀井 良政 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (00251265)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上妻 志郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10272569)
|
Research Abstract |
免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)に属する細胞接着分子は、胎児新生児期の神経系の形態形成において中心的な役割を果たし、X染色体連鎖性先天性水頭症の原因遺伝子L1や、Charcot-Marie-Tooth病の原因遺伝子PO、あるいはcontactin分子やTAG-1分子など、先天的神経疾患との関連が指摘されている。最近私は、IgSFの中でcontactinサブファミリーに属する新規分子NB-2・NB-3の遺伝子単離に携わり、またTAG-1分子の新規isoform(TAG-1t)を発見した。本研究では、これら3分子の神経突起形成に関わる分子メカニズムを解明することを目的とする。 1.新規細胞接着分子NB-2の機能解析 NB・2のヒト染色体上の遺伝子座が11q21-22.1にあることを明らかとした(投稿中)。この遺伝子座は、先天性神経疾患であるJacobson症候群の責任遺伝子座に相当し、現在共同研究を検討している。 ヒト脳におけるNB-2 mRNAの発現を他のcontactinサブファミリー分子群と比較検討したところ、その発現が小脳に少なく扁桃並びに後頭葉に多いという特異的な発現パターンを示すことが明らかとなった(投稿中)。 他のcontactinサブファミリー分子群との結合が知られているL1並びにNB-2の遺伝子をそれぞれCHO細胞に導入し、両分子の結合を予備的に検討したところ、NB-2分子はL1分子とは明らかな結合能を持たない可能性が強く示唆されており、現在再検討中である。 2.TAG-1tの生理的機能の解析 現在TAG-1tの認識する抗体を作製済みである。同時にTAG-1に対する抗体を作製したが、これはTAG-1tとepitopeを共有することが明らかとなったため、新にTAG-1のみを認識する抗体すなわちTAG-1のC末端のアミノ酸配列をepitopeとする抗体を作製中である。この抗体と先に作製したTAG-1t特異的抗体を用いて免疫組織染色によりその脳内分布を比較することにより、TAG-1tの生理的意義の解明が期待される。
|
-
[Publications] Y. Kamei, O. Tsutsumi, A. Yamakawa, Y. Oka, Y. Taketani, and J. Imaki: "Maternal EGF Deficiency Causes Fetal Hypoglycemia and Intrauterine Growth Retardation in Mice : Possible Involvement of Placental Glucose Transporter GLUT3 Expression"Endocrinology. 140. 4236-4243 (1999)
-
[Publications] K. Kuroda, Y. Kamei, S. Kozuma, A. Kikuchi, T. Fujii, N. Unno, K. Baba, and Y. Taketani: "U1trasound Obstet.Gynecol."Prenatal diagnosis of cephalopagus conjoined twins using three-dimensional ultrasound at 13 weeks of pregnancy (in press).