2000 Fiscal Year Annual Research Report
抗癌剤感受性関連酵素を分子標的とする婦人科悪性腫瘍に対する新しい遺伝子治療の開発
Project/Area Number |
11671609
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
後藤 節子 名古屋大学, 医学部, 教授 (80111847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西森 克彦 東北大学, 農学部, 助教授 (10164609)
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Keywords | 遺伝子治療 / 遺伝子導入 / 薬剤感受性 / 代謝酵素 / キメラ / 婦人科がん |
Research Abstract |
prodrug gene therapyの基礎研究という位置付けで実験を進めてきた。婦人科癌に使用される抗癌剤の中で、prodrugであるCPT-11とその活性化酵素であるcarboxylesteraseによる各種癌細胞のCPT-11に対する感受性アップの検討を、本研究の目標としている。carboxylesterase遺伝子導入前の親株4種(SKOV,HRA,TTOV;以上卵巣癌株MCF-7;乳癌株)のCPT-11に対する感受性はMTT assayにて決定した。POTTERらの報告によればCPT-11の活性化においてRabbit carboxylesteraseはHuman carboxylesteraseに比べて約7-10倍効率が良いとしている。我々はRT-PCR法によりRabbit肝組織より1.7kb Rabbit carboxylesterase c-DNAを、またヒト白血病細胞株HEL細胞より1.7kb Human carboxylesterase c-DNAをクローニングした。さらに、Rabbit carboxylesteraseとHuman carboxylesteraseのCPT-11活性化の違いを検討するために3種類のキメラ遺伝子を作製し、N末側にfrag-tag配列を有するpCMV-tag2a mammalian expresion vectorに挿入した。 上記4種の細胞株に5種の遺伝子挿入発現ベクターをlipofectoamine法により導入stable transfectantを作製を試みている。しかし、現在までにG418選択陽性細胞のうちcarboxylesterase活性陽性株は得られていない。この理由として、遺伝子導入された細胞側のamplificationの効率の悪さが第一に考えられる。transientでルシフェラーゼ発現vectorを導入しその発現を検討したが、SKOV,MCF-7以外ではルシフェラーゼ発現が認められなかった。N末側にfrag-tag配列があるために酵素活性が抑制されている可能性、またcarboxylesteraseのcell toxicityを考慮し、tag配列を落とした5種の遺伝子をinducible発現ベクターであるTet-off systemによりSKOV,MCF-7の2種細胞株に導入、hygromycinにて選択中である。
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[Publications] A Nawa,Nobata,F Kikkawa,M Kowai,T Nagasaka,S Goto,K Nishimori,N Nakashima : "Prognostic factors of the patients with yolk sac tumors of the ovary."American Journal of Obstetrics & gynecology. 184(4). (2001)