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2000 Fiscal Year Annual Research Report

子宮内膜癌浸潤機序におけるCD9分子の機能解析

Research Project

Project/Area Number 11671614
Research InstitutionKYOTO UNIVERSITY

Principal Investigator

井上 卓也  京都大学, 医学研究科, 助手 (90283598)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 藤井 信吾  京都大学, 医学研究科, 教授 (30135579)
上田 正道  京都大学, ウイルス研究所, 助手 (50115797)
Keywords子宮内膜癌 / 癌浸潤 / CD9
Research Abstract

我々は、白血球分化抗原の一つであるCD9分子が、脱落膜に接し浸潤を停止しているExtravillous trophoblast(EVT)に強く発現しており、EVTの培養系に抗CD9抗体を作用させることにより、これらの細胞の浸潤が再開することを見いだした。このことはCD9分子が細胞浸潤の制御に深くかかわっていることを示唆している。さらに我々は、他の女性生殖器の検索により子宮の内膜腺上皮細胞にもCD9分子が特異的に発現していることを見いだした。そこで本研究は、子宮内膜腺上皮細胞由来の子宮内膜癌につき、CD9分子の発現とその浸潤に対するCD9分子の作用を解析することを目的とした。
まず正常子宮内膜上皮における月経周期におけるCD9の発現の変化につき検討したところ、CD9の発現強度には変化は認められず恒常的な発現が認められた。次に子宮内膜上皮におけるCD9とIntegrinとの関連につき検討するために、子宮内膜組織から得た蛋白に対し抗CD9抗体を用いた免疫沈降法を行い、共沈したCD9分子に結合する分子をWestern blott法により検討したところ、Integrin α3及びα6がCD9分子と結合していることが明らかとなった。
次に子宮内膜増殖症と子宮内膜癌についてCD9の発現を検討したところ、子宮内膜増殖症では強い発現が認められたのに対し、浸潤能を有する子宮内膜癌ではその発現が減弱していた。また、子宮内膜癌細胞株RL952、Ishikawaに抗CD9抗体を作用させると、これらの細胞の浸潤が増強した。今後、子宮内膜癌浸潤制御に対するCD9分子の役割とIntegrinのその関与につき更に検討を行う予定である。次に子宮内膜癌細胞株RL952にIntegrin α3、β1またはα6に対する中和抗体を添加したところIntegrin α3,β1及びα6の機能を抑制することによりRL952細胞の浸潤能が抑制された。さらに、抗Integrin中和抗体により浸潤能の抑制されたRL952細胞に抗CD9抗体を添加すると抗Integrin α3抗体により抑制されたRL952細胞の浸潤能が回復した。一方、抗Integrin α6,β1抗体により抑制された細胞浸潤能は回復しなかった。
以上の結果より、子宮内膜癌細胞の浸潤に深く関与するCD9分子はIntegrin α3,β1及びα6に結合しており、CD9分子はIntegrin β1,α6を介した浸潤抑制機構に関与していることが示された。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] Kyong Rim Park,Takuya Inove,Masamichi Ueda, et al.: "CD9 is expressed on human endometrial epithelial cells in association with integrins α6, α3 and β1"Molecular Human Reproduction. 6・3. 252-257 (2000)

  • [Publications] Kyong Rim Park,Takuya Inove,Masamichi Ueda, et al.: "Anti-CD9 monoclonal antibody-stimulated invasion of endometrial cancer cell lines in vitro : possible inhibitory effect of CD9 in endometrial cancer invasion"Molecular Human Reproduction. 6・8. 719-725 (2000)

URL: 

Published: 2002-04-03   Modified: 2016-04-21  

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