2000 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌かく乱物質,特にエストロゲン様物質の周産期への影響と作用機序の解明
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11671621
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
工藤 尚文 岡山大学, 医学部, 教授 (90127556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増山 寿 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (30314678)
平松 祐司 岡山大学, 医学部, 助教授 (80218817)
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Keywords | 内分泌攪乱物質 / 周産期 / エストロゲンレセプター / 核内レセプター / 転写活性 / 転写共役因子 |
Research Abstract |
内分泌攪乱物質(ED)の周産期における作用機序を調べるため,昨年度の細胞レベルでのEDのestrogen receptor(ER)を介した転写制御の検討に引き続き,本年度はその重要なtarget receptorであるestrogen receptors(ERs)の発現をsemi-quantitative RT-PCR法にて非妊ラットと正常妊娠ラットで検討したところ,我々の条件下では卵巣や膣ではER-αと-βの両方が,子宮ではER-αのみ検出された.また胎盤,臍帯では両者が,胎仔肺,脳ではER-βのみ検出可能であった. 周生期におけるERsの発現の変化を正常妊娠及び疾患モデルラットであるstreptozotocinによる糖尿病ラットと子宮動脈結紮法によるIUGRラットを用いて検討したところ,正常妊娠ラットと比較して糖尿病ラットでは母体卵巣,臍帯,胎仔脳で発現の増加を認めた.またIUGRラットでは子宮,胎盤,胎仔肺で減少していた.ER-αと-βの両方発現している組織での変化は同調的であった.母体側の状態の変化が様々な母体及び胎仔組織でのERs発現に影響を与えることが判明した.このためEDの作用機序の一つとしてED存在下でのERs発現の変化を検討するためにまず子宮内膜癌由来細胞であるHEC-1細胞を用いてestradiolとEDの存在下でERs発現の変化を調べたところいくつかのEDで相違を認めた.このためEDの個体レベルでのERsに対する影響について今後検討が必要と思われた.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Masuyama,Y.Hiramatsu,T.Kudo, et al: "Endocrine Disrupting Chemicals Phthalic Acid and Nonylphenol Activate Pregnane X Receptor-mediated Transcription"Molecular Endocrinology. 14. 421-428 (2000)
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[Publications] Y.Hiramatsu,H.Masuyama,T.Kudo, et al: "Streptozotocin-induced Diabetic Pregnant Rats Exhibit the Signs and Symptoms Mimicking Preeclampsia"Metabolism. 49. 853-857 (2000)
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[Publications] H.Masuyama,Y.Hiramatsu,T.Kudo, et al: "The Expression of pregnane X receptor and its target gene, cytochrome P450 3A1, in Perinatal Mouse"Molecular and Cellular Endocrinology. 172. 47-56 (2001)