2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト胎児におけるレム睡眠・ノンレム睡眠の日内変動と同調機構に関する研究
Project/Area Number |
11671628
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐藤 昌司 九州大学, 医学部・附属病院, 講師 (00225947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 秀昭 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (70253408)
月森 清巳 九州大学, 医学部・附属病院, 講師 (90253450)
中野 仁雄 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40038766)
福嶋 恒太郎 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (40304779)
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Keywords | ヒト胎児 / 生物時計 / レム睡眠・ノンレム睡眠 / 日内変動 / 眼球運動 / 心拍数変動 / コルチゾール |
Research Abstract |
ヒト胎児の眼球運動及び心拍数変動を観察し、両者の日内変動の特性と相互の関係について検討を行った結果、両指標が同期しつつ日内変動を刻む症例が存在することを証明した。 本年度は、胎児の生理学的指標に見られる日内変動の同調因子に関する検討を行った。同調因子に関しては母体を通じて胎児に与えられていると考えられており、候補としてメラトニン・コルチゾール・グルコース・体温などがあげられている。しかしながら、未だ特定されるには至っていない。 妊娠前および妊娠中にクッシング症候群に罹患し、正常と異なる母体のコルチゾール濃度の日内変動を有する2症例を対象に、母体血中コルチゾール濃度の変動が胎児心拍数変動の日内変動に影響を及ぼしているか否かの検証を行った。指標としては、胎児心拍数変動を用いた。コントロール症例を含めた、全例の心拍数変動を連続24時間記録し、1分毎の平均心拍数を計測した。次に最大エントロピー法によるスペクトル解析を行い、胎児心拍数時系列データの周期性と母体コルチゾール濃度の変動パターンとを比較検討した。その結果、2症例とも心拍数変動の日内変動はコントロール症例と同様の変動パターンを示し、母体血中コルチゾール濃度の変化は、胎児心拍数の日内変動に影響していないことが判明した。 以上より、少なくとも母体血中コルチゾールは、胎児日内変動の同調因子ではないことが判明した。今後は、胎児の日内変動の同調因子に関する検討および同調因子の変調が胎児に与える影響に関する検討が必要である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Morokuma S, et al.: "Diurnal variation of eye movement and heart rate variability in the human fetus at term"Early Human Development. 63(2). 123-130 (2001)
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[Publications] Morokuma S, et al.: "Diurnal changes in the power spectral characteristics of eye movements and heart rate variability in the human fetus at term"Early Human Development. 64(1). 27-36 (2001)