子宮内膜を標的としたPTENノックアウトマウス(子宮内膜癌モデル)の作製

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11671634
• Research Institution: Kumamoto University
• Principal Investigator: 田代 浩徳 熊本大学, 医学部, 助手 (70304996)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 福本 学 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60156809) ; 鈴木 聡 東北大学, 加齢医学研究所, 講師 (10311565) ; 片淵 秀隆 熊本大学, 医学部, 講師 (90224451)
• Keywords: Cre-loxP system / ノックアウトマウス / 子宮内膜癌 / PTEN遺伝子 / 癌抑制遺伝子

Research Abstract

本研究課題において用いるCre-loxP systemのノックアウトマウスを飼育繁殖させている。現在までにCreを発現させていないグループ(対象となるグループ)における子宮内膜の変化を観察したところ、通常のマウスの内膜と変化がみられないことを観察した。また、ヘテロのmurine PTENノックアウトマウス(通常のノックアウトマウス)(n=62)の1年間の自然観察で、18週齢以降のマウスにおいて、野生型ではみられない子宮内膜の増殖性病変が70.9%(39匹/55匹)にみられ、ヒトの異型増殖症に相当する病変が 21.8%(12匹/55匹)を占めていたが、腺癌は認められなかった。
今後、Cre-loxP systemで用いるCre発現ベクターが子宮内膜において、どの程度の効率で作用するのかをin vitroの実験において確認し、効率の良い発現ベクターを用いて実験を行う。その後、Cre発現グループ(子宮内膜を標的としたmPTEN ノックアウトマウス)、Creを発現させていないグループ、ならびに通常のヘテロのmPTENノックアウトマウスのグループにおいて、子宮内膜での病的変化の違いを検討していく。

Research Products

• [Publications] Lax SF,Kendall B,Tashiro H,et al.: "The frequency of p53, K-ras mutations, and microsatellite instability differs in uterine endometrioid and serous carcinoma: evidence of distict molecular genetic pathways."Cancer. 88(4). 814-824 (2000)
• [Publications] Tashiro H,Katabuchi H,et al.: "A follicle-stimulating hormone-secreting gonadotroph adenoma with ovarian enlargement occurring in a 10-year0old girl"Fertility and Sterility. 72. 158-160 (1999)
• [Publications] Hata K,Kamikawa T,Arao S,Tashiro H et al.: "Expression of the thymidine phosphorylase gene in epithelial ovarian cancer"British Journal of Cancer. 79. 1848-1854 (1999)
• [Publications] 片淵秀隆,田代浩徳,他: "子宮内膜癌の組織分類からみた遺伝子異常の相違"産婦人科の世界. (発売予定). (2000)
• [Publications] 片淵秀隆,荒尾慎治,田代浩徳,他: "卵巣腫瘍における分子生物学"病理と臨床. 18巻6号(発売予定). (2000)