1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト子宮内膜の正常と異常についての細胞間コミュニケーションからの検討
Project/Area Number |
11671638
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
斉藤 豪 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90145566)
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Keywords | 子宮内膜 / 子宮体癌 / 細胞間コミュニケーション / beta-catenin / 細胞接着 |
Research Abstract |
子宮内膜組織は内分泌環境下に受精卵の着床のため排卵を境に増殖と分化を繰り返している。この増殖と分化のプロセスは主に内分泌環境の変化に基づき受容体との結合、そして組織中での細胞間の結合・コミュニケーションによって調和された機能を発揮していると考えられている。そこで、ダイナミックに変化する子宮内膜組織を用い、正常な機能発現に関わるメカニズムを細胞間コミュニケーションを中心に明らかにすることを目的に本研究を始めた。そして異常子宮内膜については着床障害、増殖病変、癌化との関係で細胞間の結合を司るbeta-cateninの核への集積とそれと同時に細胞間コミュニケーションを司るconnexinの減弱を認めた。さらに、これらの動きと細胞内外の増殖・分化のシグナルとの関係をみるため、正常子宮内膜ならびに腫瘍性の病変での熱ショック蛋白の発現の変化を観察した。この研究によると熱ショック蛋白の中でもHSP27とHSP90は正常では血清エストラジオールと相関して増減した。しかし過形成内膜ではエストラジオールとは関係なしに過剰発現がみられ、過度の増殖状態で発現するものと考えられた。この業績に関しては現在投稿中である。
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